2018年11月18日

梶村さん


訪なう

カラマツ亭にバイトの梶村さんを訪ねる。杖ついてゆく。
梶村さんはいない。厨房のご主人にあしらわれる。佐伯さん
ならいる。11時にくる。ママチャリで。

佐伯さんに用はない。梶村さんはいない。自転車につながれた
シバの様子を気にする。うずくまって股を舐めている。シバ。
梶村さんかもしれない。目がかすむ。

12月2日のサルスベリ.jpg
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2018年11月13日

文庫


『いまここに在ることの恥』

いまここに在ることの恥.JPG

『いまここに在ることの恥』(角川文庫)が重版して、きのう
見本がとどいた。ほんのちょっぴりだけの増刷。2006年、毎日新聞
から単行本がでて、2010年文庫化。さっぱり売れずに、もう忘れか
けていたついせんだってに再版。

カバー、挿画は西方久さん。すきな絵だ。西方さん、どうしてるだろうか。
解説はジュンジュン(五所純子さん)。お元気だろうか。

じつは第T章の「口中の闇あるいは罪と恥辱について」あたりから
『1★9★3★7』を構想していた。文庫には脳出血とがんから復帰後の
昂揚感がにじむ。松崎夕里さんが編集したのだったか、ていねいな
註がはいっている。

どうということはない。おもいでが付着しているけれど。単行本を
編集してくれた向井徹君のご両親は他界された。かれはお骨とくらして
いるらしい。ご両親の虹のような笑み・・・。




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朝ぼらけ


象たちの空

明け方、とても巨きい象やカバ、犀たちが、ブカブカ空に
浮いていた。まえにもなんどかあった。ヒッポが空でクソ
している。尻尾をくるくる回す。クソが港区高輪一丁目あ
たりにバラバラとふる。

だれもいないから、丹念熟成イチゴジャムパンを食う。カバ
たちをみあげて。ジューシーなつぶつぶ果肉入りの、おかげ
さまで100周年。ア、シバル!

東側の空に、暗い紫みの青。子を孕んだマッコウクジラまたは
潜水艦。西にながれてゆく。羊水がふる。だれもいない。
あたたかい。なまあたたかい。

パンのにおい。経血のかほり・・・。ふる。

存在者が自己自身を対象化する自覚的在り方を、今後いっさい
廃止することとする。ッシバル! 胸やけする。秩父連峰の
はるか上空で、ヒッポがクソをたれている。

うろこ雲.jpg





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2018年11月11日

微苦笑


決心らしき心もちは、なにもない

もういいのではないか。やめてもよいのではないか。いいかげん
しおどきだろう・・・。仰向いて、そう話しかける。犬に。約10年
も同居している無口な犬に。けふ、ヨブの話もした。サタンのこ
とも。

同じ階のマックス君のこと。歯がないので舌をたらしているマッ
クス君の幸せについて。たくさん散歩をさせてもらっている老犬。
がんも克服したらしいぜ。ニッポンゴはあかん。ポルトガル語しか
解さんのやて。

オブリガード! マックス君、目をまんまるにしてふりかえる。
整形したみたいな美形。まるでアニメのワンコ。うちのは暗い。
他の犬にも他のひとにも関心をしめさない。

もっと愛想があってもよいとおもわぬでない。しかたがない。わたし
だって無愛想だし。見ず知らずのオヤジが無愛想な犬に口笛を
吹く。犬、ふりかえりもしない。気安く口笛なんか吹くなよ。

数週間前まであったオオクチナシのしげみが、ウソみたいになくなって
いた。夏場に八重の白い花を咲かせてはボトリボトリと落としていた。
化けものみたいなおんなの樹。更地になっていた。

サイゴン川にみえる黄土色の道。わたる。犬、ふりむく。わたくし
にたいし微苦笑を浮かべている。犬が。死んだ犬は歯をくいしばる。笑
わない。けっして。したがって、犬はサイゴン川を流れている腐った死
犬じゃない。

なにも決心しない。オオクチナシのにほひ・・・。

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2018年11月09日

それでも・・・


かれらはみんな

善い人たちであった。車椅子から、あるいはベッドから
、わたしはみあげていた。みんな親切でやさしかった。
しかしそれでも、「夜ごとゆがむ/花たちの唇。」

「かれらは世界にはなればなれに立っている。/それぞれ
がそれぞれの夜のもとに、/それぞれがそれぞれの死の
もとに。」(Celan)

やおら股間からタンポンをぬきとり、濡れそぼつそれで鏡に
「返答」を書くおんな。英語で。クソッタレ!

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2018年11月05日

日経夕刊


『月』インタビュー記事

けふの日経新聞夕刊に『月』をめぐるインタビューが載った。
コンパクトで的確。異存なし。明日、毎日新聞の藤原章生さん
と会う予定。終わったら下剤さ。唯君の感想すきだな。いつか
お茶しような。

(クリック)

日経インタビュー.jpg


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2018年11月03日

共同体の構造的掟


暴力の回帰的な性格

いまはむろん前世紀からほぼせいかくに予感されていた。
R.Dの炯眼には舌をまく。「人間のつくる共同体の奥底には
、まったく意識されることのない反復的な構造が潜んでいる」

「それは共同体の心理などというものではない。むしろそれが
共同体を組織するのだ」「ぼくが怖れるのは、部族感情がよみ
がえり、(それが)核兵器にむすびつくことだ」

「テクノロジーの不可逆的進歩が、政治における古くかわらないもの
と結びつくと、とんでもない暴発の危険が生じる」ーーーーつまり、
R.Dは核戦争の蓋然性をかたっていた。

R.Dはまた、マルクス主義の病的なまでの「オプティミズム」を
指摘していた。「共同体の構造的掟」「暴力の回帰的な性格」
「宗教的なものののりこえがたい性格」ーーーーへの楽天的な視線
がそれだ。

核兵器の使用は大いにありうる。〈暗黒の21世紀〉がじょじょに
姿をあらわすだろう。think or be!


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2018年11月01日

それから・・・


植民地主義的傲岸不遜と官製ヘイト煽動そして『月』

韓国最高裁の判決への自民党ほかの感情的反発は、旧宗主国意識
まるだしの蔑視と見くだし、居丈高な罵倒そのものだった。日本
政府、自民党があげて対韓ヘイトを煽っているにひとしい。

学生時代わたしがはじめて参加したのは、65年の日韓基本条約反対
デモだった。たった8億ドルの経済援助で植民地支配の歴史をなかった
ことにし、賠償請求権の放棄を朴正煕政権にみとめさせたこと。これ
こそが朝鮮戦争特需でもうけにもうけ、増長したたニッポンの醜い
素顔だった。

ニッポンは「金で歴史を買った」とおもいこんでいる。バカだ。金で
歴史が買えるか!?いちど国際条約できめたいじょう、いまさら文句を
いうな、か。アタマを冷やせ。独裁政権がむすんだ不平等条約には履行
義務がないとする心情には、むしろ汲むべき「歴史の本質」がある。

今月と来月の『月』プロモーション講演は、したがって、本の販促に
終わるわけにはいかないだろう。上記の件のほか、「大動乱」化する
世界への『月』からの視線をかたらないわけにはいくまい。

月 書店.JPG
(10月31日 三省堂本店 クリックで画像拡大)

昨日あたりから『月』が主要書店にではじめた。著者のわがままに
耐えに耐えぬいた担当編集者たち、魂を塗りこめる異例の装幀をして
いただいた鈴木成一さんら関係者のみなさんに、あらためて御礼も
うしあげます。

今月5日の日経新聞夕刊に『月』関連の小さなインタビュー記事がで
るらしい。朝日のインタビューは月内掲載。サンデー毎日インタビュー
は今月6日(掲載日不明)。

コビト、犬とマック。





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