2019年05月23日

逃走


人間を人間たらしめているものの限界・・・

毎日、音から逃げて街から街へとほっつき歩く。顔中に
刺青をいれた老人をみた。わたしにむかってなにか呟い
た。低く罵ったのか。「ヒトデナシ・・・」

「人間を人間たらしめているものの限界・・・」。だれが
言ったのか。思いだすまでに3ブロック歩く。杖をつい
て。赤い帽子をかぶった小学生の長い列。恐怖。

「お気の毒なおじいさん・・・」。幻聴か。杖をあいまいに
ふりあげる。「人間を人間たらしめているものの限界・・・」
ーー根本美作子さんが『母の前で』の「訳者あとがき」で
書いていたのだ。

小鳥がするどく鳴いた。空気を斬った。

posted by Yo Hemmi at 17:09| 日録 | 更新情報をチェックする

2019年05月14日

視床痛


すみません!

肩が痛い。右腕がねじれる。右手が引き攣れる。手の甲の血管がひく
ひくと痙攣する。ので、根本美作子さんへの礼状が書けない。明治大
学文学部紀要(『文芸研究』135号 ピエール・パシェ特集)をお送り
いただいたことへのお礼が書けない。

「夜の混んだ中央線のなかで受けた」パシェの訃報についての、わたし
の思いめぐらしが書けない。学生時代、根本さんに大岡昇平を読むよう
すすめたのはパシェだったことについての感慨を記すことができない。

すみません!鎮痛剤をのんで寝ます。

posted by Yo Hemmi at 23:18| 日録 | 更新情報をチェックする

2019年05月11日

「世界の法則」


忘れないように記しておこう

わたしは『母の前で』になんども打ちのめされた。
たとえば、「入居者」たちの「言葉」を聞き、パ
シェは書く。「・・・わたしは気も狂わんばかりに同情
することと、無関心でいることのあいだで躊躇う。」

「それはだれしもが若いときからすでに慣れはじめる
不思議な状態だ。なぜならそれは世界の法則のような
ものだからだ。しかしそれを説明する言葉をわたした
ちは持ち合わせていない。」(根本美作子=訳 P160
〜161 傍線は辺見)

ジム。白髪のさなえが、むこうのグループからわたしを
見ていたように思う。たしかではない。わたしだって
加齢黄斑変性なのだ。なのに目があった気がする。いつ
もだ。さなえは100歳くらいか。さなえとわたしは愛し合
っているのかもしれない。

シャワーをあびる。犬がほえていた。



posted by Yo Hemmi at 18:38| お知らせ | 更新情報をチェックする

2019年05月10日

待つ


「みな、ここで、待っている」

「・・・生まれてきたことの厄介さという謎の中に、どうしても
再び投げ込まれなくてはならないかのようだ。」(パシェ
『母の前で』根本美作子=訳 P191)

「この怪物的な時間の引き延ばしの中に・・・」。胸がドキドキ
する。反論の余地はない。わたしたちはみな、ここで、待って
いる。目的もなしに。まるで目的があるかのように。
posted by Yo Hemmi at 18:39| お知らせ | 更新情報をチェックする

最期


最期と「最後

「音」をのがれてマックスそして犬とカフェへ。カフェも爆音。
「最期が訪れるのは『最後』の要素が外された時だけ、そんなこ
とがありうるだろうか・・・」(『母の前で』P186)

マックスは「わたしにとっての過去の厚み」を感じさせる。わた
しはどんなに静かな時空にあっても、堪えがたい轟音を聞くのか
もしれない。
posted by Yo Hemmi at 16:02| メモ | 更新情報をチェックする

2019年05月09日

感謝


それはどうやって死ぬことができるのだろう

P181。「ひとつの精神は外からしか殺すことができない、
エネルギー供給を断つことによって」(パシェ『母の前で』
根本美作子=訳 P183)。ものすごい爆音!

けふ、わたしはマックスに心の底から感謝した。テツにも感
謝した。犬にも感謝した。とても疲れている。が、詩文集『純
粋な幸福』は来月か再来月には刊行されるだろう。装幀は鈴木
成一さん。

わたしとマックスは歌をうたった。犬は伏せをして聞いていた。
犬はときどき水を舐めた。マックに行った。ラクダの爪のこと
をかんがえた。わたしは疲れている。

ラクダを食ったことがある。ソマリアで。爆撃も銃撃もあった。
しかし、いまより怖くはなかった。いまよりよほど自由だった。
かならずしも悪意にもとづかない内面の侵略のほうが怖い。
posted by Yo Hemmi at 18:33| メモ | 更新情報をチェックする

2019年05月01日

言葉の味方


◎「言葉の味方をせずに言葉を言うことはできない

パシェ『母の前で』根本美作子=訳(P177)。
「いずれにせよ、言葉は吐き出すもので、言葉が
要請する空にそれは投げだされる。言葉は空のために
あるのだ。」(同。「空」に「くう」のルビ)

「マダム・パシェ」こそ普遍存在である。たとえば、われ
われは天皇存在というフィクションと「負の知」にあまり
にも深く侵されている。天皇制下の狂人である。
posted by Yo Hemmi at 18:21| お知らせ | 更新情報をチェックする

屁と嘔吐


土民の狂熱

呪術によろこぶ土民の狂熱に吐き気をもよおす。
ジャーナリズムはこの数日、かんぜんに判断力を
失った。狂い死にした。

「象徴としての『天皇』は、或は、『神』として
宗教的倫理の領域に高昇して価値の絶対的実体とし
て超出し、或は又、温情に溢れた最大最高の『家父』
として人間生活の情緒の世界に内在して、日常的親密
をもって君臨する」(藤田省三『天皇制国家の支配原理』)
ーーこれは天皇を社会的頂点に戴き、かつ、天皇を人間精神
の中核に内在させることの美点≠強調したのではない。

藤田は危険な政治のかっこうの「道具」としての天皇制を論
じているのだ。安倍らはtianhuangに深々と頭をたれつつ屁
をたれ、tianhuangも「コクミンによりそう」と宣いつつ、
高貴なるガスをひる(おひりになられる)のである。土民らは
胸いっぱいそれを吸って狂喜するのであります。天皇制ファシ
ズムとはそういうことだ。
犬糞(けんぷん)元年、記す。





















posted by Yo Hemmi at 13:44| メモ | 更新情報をチェックする