
1995年3月20日朝、地下鉄日比谷線神谷町駅構内にいた。
その時着ていた革ジャンは被害者の涎がついているので
棄てた。事態をわかってはいなかった。だが、驚きはしな
かった。いつかこんなこともあるだろうと思っていたから。
あの朝、倒れた通勤者を助け起こしたりしていたとき最も
不快だったのは、「お互い様ですから・・・」という言葉であ
った。ばかやろうと思った。ひどく腹を立てた。なぜそんな
に怒ったのか。
倒れた通勤者を跨いで職場へと急ぐ男女。そんな記事はなか
った。が、事実だ。わたしは朝まで飲んでいたのだった。
吐き気をこらえながら被害者を運んだ。大変だとは思わなか
った。
会社から危険手当1000円だかをもろて笑ろた。すべてがバカ
げていた。後に『ゆで卵』といふ小説を書いて顰蹙を買った。
「お互い様ですから・・・」は今でも苦手。ケッと思ふ。
市川崑監督の『破戒』を観た。よかった。ソファの背後の犬の
糞を坪庭に捨てる。
posted by Yo Hemmi at 17:01|
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