辺見庸ブログ Yo Hemmi Weblog

イスラエルの攻撃でパレスチナの幼児が被弾して血だらけで痙攣
している。世界は黙認している。見て見ぬ振り。

「自分たちの横断した経験が何かに役立てられるとするならば、
私たちは自分たちが忘れてきた多くのものを学びなおさなければ
ならないだろう。」（ジョルジョ・アガンベン『私たちはどこに
いるのか？ 』）

視床痛激。言ったとて意味なし。

〈「 灰色の殻 のカタツムリ がゆっくりと小道 を渡って、
草の葉を倒していくわ、」とローダ が言った。〉
ヴァージニア・ウルフ「波」

「スゴイダイズ」超美味につき、歯なしネコのナナちゃん、
フクちん、マリンちゃん、ニャージ、エイリアン、トラた
ちも飲むことになった。のんちはすでに飲んだ。大好評！

ニンゲンに悪意だけを感じるときがある。けふがそんな日
だ。実は、わたしが自他のすべてに悪意を抱いているのだ。
同居犬には悪意を感じたことがない。互いに。

犯し残した罪を犯すこと。

〈いま人々は「世界は第三次世界大戦に向かっている」と
話していますが、「我々はすでに第三次世界大戦に突入し
た」と私は見ています。〉（エマニュエル・トッド『第三次
世界大戦はもう始まっている』）

��人柄�≠ﾆいうのはたしかにあるよな。わたしにインタビュー
した記者は人柄のよさを感じさせた。組織に縛られない自由人。
2時間半ほどのインタビュー後、躰の凝りがだいぶほぐれた。
記事は6月4日の毎日新聞夕刊に載るらしい。

豆乳ではなく「スゴイダイズ」といふのを飲んだら、臭みがなく
うまい。犬も喜んで飲んだ。

「今、私が生きているのなら、あなたが存在してはならないのだ。
闇と光の間でだけ、あのほの青いすきまでだけ、私たちはやっと
顔を合わせることができる。･･･」（ハン・ガン『すべての、白い
ものたちの』 ）

「産着が寿衣になった。おくるみがひつぎになった。･･･」

ひでえ1日だった。

May 27, 2024, 11:06 AM GMT+9 / Updated May 27, 2024, 10:29 PM GMT+9

Dozens of people were killed in Rafah late Sunday after an Israeli airstrike
hit an area where displaced civilians were sheltering in tents and sparked
a fire that tore across the camp.

『アイダよ、何処へ？』

ボスニアを彷徨っていたころの疲労感。徒労感。
恐怖。ぶり返す。監督はヤスミラ・ジュバニッチ、
女性。

セルビアによる大量虐殺はイスラエルによるそれへ
と引き継がれている。��民族浄化�＝B

国連は無力だった。今も。

けふ新聞インタビューが終わりよろよろ帰宅すると玄関先に
1匹の蛾がいてもがいている。枯れ葉そっくり。顔を寄せると
掠れ声で「ニンジン送れ･･･」と言ふ。蛾が。夜、故ダーリン
のところにニンジンを送る手続き。

昔、粋がって講演料￥1000で講演したことを思い出す。椎茸
もろたからトントン。

察するに、蛾はダーリンか俺かだらふ。

「四十歳では、まだ老いぼれではない。が、
老いぼれの徴候がはじまる。だんだんと、し
かもそれは少しずつ進むのだ。･･･」
（カミュ「啞者」）

俺も、犬も、日々に末枯れる。
視床痛も、その時は、嘘のように
消えるだらう。

誰か巻き添えにしてやろうか。

頗る美味！

「無限の観念、すなわち《より少ないもの》に内包された
《無限により多いもの》は、具体的には顔との関係とい
うかたちをとって生起する。」ーー『全体性と無限』

『ドッグマン』のラストシーンは秀逸。
『ニトラム』ーーその本質はいわゆる銃規制問題と関係が
ないはずだ。もっと圧倒的に豊かだ。エンドロールは見な
くてもよい。

『ドッグマン』のラストシーン！

バイデン、ガザの大量虐殺否定 、イスラエル人の安全「断固支援」
だと！これが正体である。怒れ！

『ドッグマン』

小さな墓の見本取り寄せることに。死んだら分かりゃしないが、
一応決めておく。犬と骨を一緒にしたいといふ秘密。バカだね。
そもそもニホンの司法はまったく信用できない。高見順をなぜか
あまりよいと思えない。でも読む。『死の淵より』。ニホンの司
法はほとんどデタラメだ。一貫しているのは反人間主義だけ。

映画でしばしば命拾いする。少なくとも観ている間は
「救われて」いる。『ニトラム/NITRAM』は内面を爆
発させてくれる。エラそうな映評などおこがましい。

『ドッグマン』の途中、突然睡魔におそわれる。ベッド
に移動。犬がじっと見ている。

「発話は沈黙が守られているにすぎなくても語られていて、
沈黙の重々しさは〈他人〉が逃げ去ってしまったことを認め
ているのである。･･･」(『全体性と無限』)

雨、風。坪庭の葉が揺れている。窓に雨滴。犬に豆乳。

上川っていやな女だ。発言のいちいちではない。容赦ない
死刑執行命令の連発。絞首刑におよそ躊躇いがない冷血女。

ムーンピノコは言う。「不自由万歳！」

「（人間は）歩くというより、引力と闘いながら、内臓を入
れた重い肉の袋を、せっせと運搬している感じだ。誰もが帰
ってくる。出掛けた所へ、戻ってくる。戻ってくるために、
出掛けて行く。」ーー『 燃えつきた地図』

喪失を喪失と感じられる時代があった。いまは巨大な黒い穴の
ような喪失しかないのに誰もそうは思わず、自覚なき失見当識
者としてヘラヘラ笑って彷徨い歩いている。悲惨な幸せ。

日本近代文学館が2024年夏期企画展として、〈中島敦「山月記」と
その時代〉を開催するらしい。6月22日〜9月7日。

ガザ――――ラファ。わたしはどこにどうやって何時まで立ちつく
せばよいのだろうか。呪詛では済まぬ。呻きでは済まぬ。

殺人鬼ネタニヤフによれば、イスラエルは「爪だけでも
戦う」のだそうだ。かつて国連総会で示したとおり、ネタ
ニヤフの「新しい中東地図」には、恐ろしいことにパレス
チナがない。爪だけでも戦うと言うのなら、その爪を剥が
してやるしかない。

戦争模様がますますはっきりしてきている。

「だれでも、すなわち、どのように卑賤な農夫も、乞食さえ、
司祭になることができた。彼らのパンテオンに棲んでいるのは、
天と地、海、地獄、森林、収穫、戦争と平和、そしてそして人び
との事柄のうえに君臨する、僕たちが崇めるような神々ではない。
彼らのは、たましいと感情と情熱の神々だ。ーーアントニオ・タブ
ッキ「島とクジラと女をめぐる断片」

ロボット歩きのボケ老人バイデンと殺人鬼ネタニヤフは一体化して
いる。米国は困惑したふりをしてイスラエルを軍事援助し、
パレスチナをかつてのベトコンのように敵視している。戦うしかな
い。

（「入れて下さい」と懇願しているのではない。「速う
入れろ！」と命じているのである）

ナナさんは歯がない。ナナさんは媚びない。ナナさんは他と
連まない。ナナさんは「家族に乾杯」に舌打ちする。ナナさ
んはツルベ的笑いを拒む。低い声で〈家庭の幸せ諸悪の根源〉
みたいなことを呟く。ナナさんは誰とも連帯しない。ナナさん
はお喋りを嫌う。ナナさんには歯がない。それでもネズミを捕
る。歯茎で仕留める。雨の日でも狩りをする。時々、血で口の
周りを赤くしている。ナナさんは笑わない。

「第一、それは、思想とは全然別物である。むしろ、
情熱である。」ーー反ユダヤ主義についてのサルトル
の考え。事態は反転している。歌うべき歌もない。

ガザの死者35000人超える。さらに10000人以上の遺
体が瓦礫に埋まっているという。ネタニヤフ政権も
バイデン政権もこの大量虐殺の責任から絶対に逃れることがで
きない。永遠に咎めを受けるべきだ。

パレスチナ人は人間ではない、ないしは、ユダヤ人より「劣等」
であるという意識が根底にある。満腔の怒りは収まりはしない。

ゼレンスキーも崩壊の淵にある。さあ、皆、逃亡しよう。クニを
捨てよう。逃げて生きよう。「愛国」はいずこにおいてもありえ
ない。あらゆる戦線から離脱しよう。敵前逃亡しよう！

「信頼を持つことが必要だよ」と若い男が言う、
「いまのきみのような状態じゃ、生きていると言えないよ」
彼女は溜息をつく。「分かってるわ！」―――パリにおける
1938年ごろの会話。

犬寝ている。「ちゅーるごはん」2包あげる。「ブッチ」は
どうか。洗濯する。ムーンピノコが「鉈」と言いだす。
不意をつかれ「鉈かよ･･･」と躊躇う。わたしは左手を振り上
げねばならない。鉈を持って。とても重い。重すぎる。犬起き
る。腹が減ったという。

いま闌ける。

「享年三十六 歳。 あのころの詩人はみな夭折した。
それとも、才能 が涸渇 するか。でなければ、気が 狂
って幽閉 された。だが、バイロンが 死んだのはイタ
リアではない。」J M クッツェー『恥辱』

ギリシャだよ。「幸せな詩人」は長生きする。なしてか。
犬が寝ている。いつまで付き合ってくれるか。

脳内で戦闘に参加している。ネタニヤフに銃口を向けてい
る。眉間だ。

『自分自身への審問』（角川文庫）6刷届く。そうだ、大道
寺将司さんが一文をよせてくれたのだった。

嗚呼、輝かしき哉ヌッポン！「報道の自由度」＝世界70位。「女性
の働きやすさ」＝世界主要29か国中ケツから3番目。思ふに、吾人は
かかる状態が好きなのである。まことに居心地がよろしいのだ。天皇
制＆死刑制度熱烈保持国家・瀛州にありては、水俣病被害者の発言を
せせら笑いながら制止･抑圧し、かつて死刑執行命令書にハンコを押し
まくった絞首刑大好き人間が（その輝かしいキャリアを隠して）外相を
やり、仏語発音では「イロイト」の孫は「ありがとうございます」
と正しく言えずに、「ありがたふ」と無礼にも省略。これで委員会？
これでええのだ。コンビニで天ぷら万引きした、あおり運転した、カス
ハラした、だののゴミネタが、こともあらうにガザの大量殺戮よりもさ
も重大であるかのやうに報じられる。「報道の自由度」＝世界70位。
「女性の働きやすさ」＝世界主要29か国中ケツから3番目。これを誰が
嘆いていよう？！吾人は不正維持をそれとなく放置継続するのをこよな
く愛好しているのである。

国家が有する非人称的運命のなかに、自分の理性を認めることこそが
狂気の最たるものだ。

（ナースのナナさん＝富山県在住）

「世界が有するさまざまな潜在性は私たちの自然本性に
書きこまれており、私たちがそれをみずからの実存によ
っても発展させるとしても、そうなのだ。だが、発話は
絶対的な差異から生まれる。」

ネタニヤフを撃て！見るな、撃て！

「幸福は計量可能なものでなければならない。
幸福は、モノと記号によって計量することがで
きる福利、物質的安楽でなければならない。」

「表出するにあたって、顔の形態の輪郭がたえず
開かれ、その際、形態を破裂させるこの開かれは
戯画のなかに閉じこめられる。」

ウォタ―サーバーの電話勧誘。笑いながら話す
ので怖かった。

「その貌はもはや人間ではなく、真黒な原始の混
沌に根を生やした一個の物のように思われる。」

「世界のきびしい悪意」

Ｒ.D「経済構造の近代化は原始心性を掻き立てる。
それは、マルクスもアダム・スミスも計算に入れて
いなかった。」

犬用「魚まるごと天然だし」届く。視床痛けふ最悪。
いつも最悪。クソ！犬、痩せるな。

　

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「築地けいこの道すがら麹町通にて台湾生蕃人の一行を見る。
巡査らしき帯剣の役人七八名之を引率し我こそ文明人なれと高
慢なる顔したり。生蕃人の容貌日本の巡査に比すればいづれも
温和にて陰険ならず。今の世には人喰ふものより遥に恐るべき
人種あるを知らずや。」

テレビジョンのない日常はまともだった。インターネットのない
昔日は、まだしも正気だった。

米国の学生運動、切迫したものが感じられない。ヘナチョコ。

『浮雲』

ゴニョゴニョ。

あの人はわたひたちに「ありがたふ」と言ひ、
「ありがたふござひます」とはよふ言はなんだ。
あん人はウルルン島に行かなひ。なぜか。なーし
てか。なにも用がなひし、波が荒ひ。生の烏賊
が食へなひから。あんなにも美味しひ鬱陵島の
イカ刺し。甘い生烏賊。イカ墨スパ！干しエン
ペラ、ビラビラエンペラー。「ウツリョウ島」
とはもふ言はなひ。霧の鬱陵島･･･。

「モッブ」と言われ「無政府主義者ども」と言われている。
上等！最上等！学生さんの本分はキャンパスで街頭で暴れ回
ること。UCLAでは一時バリケードも築かれた。「健全」とは
そういふことだ。

月の子曰く。「どう考えても、世界はイスラエル＝シオニスト
に忖度しています。反ユダヤ主義というレッテルを貼られたく
ない一心で」。そのとおりだよ！

ブリンケン、ネタニヤフを撃て。