2024年12月31日
2024年12月30日
12月30日・・・気配と暮らす
もう居ないのだが時折、居る。時間と記憶の輪を
掠めてゆく。前日の水を新しい水と交換する。ケ
ージの扉を開けておく。声をかける。もともと返
事なんかしない。もう2週間。あいつがまた音もな
くまなかいを掠めてゆく。気配と暮らすのは、自堕
落か。退嬰か。記憶の消失を待ちはしない。けふ、
骨壺を食卓から遠ざける。ヘルパーさんが黄色いチュ
ーリップを一輪買ってくる。
ジミー・カーターが死んだ。100まで生きて。
殺人鬼ネタニヤフが前立腺を摘出。数日前に尿路感染
症が見つかったよし。
posted by Yo Hemmi at 17:43| お知らせ
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2024年12月29日
他者を起点とする・・・
「事実、言説の基底にある倫理的関係とは、〈自我〉を
起点として光線が放たれていくような意識の一つの変種
ではない。倫理的関係は、自我を問いただす。この問い
ただしは他者を起点とする。・・・」『全体性と無限』
来年はさらに苛烈な年となることが約束されている。薄緑
の煙のようなものをその幾つかの開口部から吐き出す珍獣
、ニンゲンは、さらに猛り狂うだろう。
posted by Yo Hemmi at 16:53| お知らせ
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2024年12月28日
エマニュエル・トッド
トッド 「この戦争ではロシアが勝利します。ロシアの方が兵器の
生産力が優っていて、ウクライナよりはるかに巨大な国であり、西
洋諸国はこの戦争に真の意味で軍事的に介入できないからです。だ
からこそロシア軍は進軍を続けており、ウクライナ軍とキエフ
(キーウ)政権の崩壊が近づいている、と私は見ています。」
生産力が優っていて、ウクライナよりはるかに巨大な国であり、西
洋諸国はこの戦争に真の意味で軍事的に介入できないからです。だ
からこそロシア軍は進軍を続けており、ウクライナ軍とキエフ
(キーウ)政権の崩壊が近づいている、と私は見ています。」
posted by Yo Hemmi at 00:34| お知らせ
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『ベルイマン島にて』
posted by Yo Hemmi at 17:36| お知らせ
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2024年12月26日
時は満ちた
「サント゠ブーヴ からプルーストまで 語った今、みずから脱皮
して作家の 殿堂入りをはたすときがきた。そして、ママンが死
んだ。『 零度のエクリチュール』 以来、ようやく出発点に戻っ
たのだ。時は満ちた。」ーーローラン・ビネ『言語の七番目の
機能』(東京創元社)
けふ、よいカフェを見つけた。ドーナツを食った。美味かった。
ガザでは既に45000人以上が殺されたらしい。ウクライナ侵攻の
北朝鮮兵士は1000人以上が死んだようだ。わたしは杖ついて650
メートル歩いた。足首が冷える。踝が凍える。頸が固まる。明日
はもっと冷えるらしい。そのことを声にして居ない者≠ノ言う。
「明日はもっと寒いらしいぜ・・・」と。
posted by Yo Hemmi at 18:02| お知らせ
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2024年12月25日
風
「アメリカ主導の「秩序」が「無秩序」に道を譲ろうと
している・・・」ーーピーター・ゼイハン『「世界の終わり」
の地政学』
が、わたしは「世界の終わり」を望むともなく望んで
いる。鼻炎。
拙詩「風」(『生首』所収)の合唱曲楽譜(音楽之友社)が
送られてきた。
https://youtu.be/B-o4fqWc7y4?si=lTXKbouTrxwfVv_q
老いについて。それは極めて凄惨なものだ。しかしながら、
詩は書けなくもない。死にゆく者のために。すべてはやがて
死にゆく者のために・・・。
posted by Yo Hemmi at 16:26| お知らせ
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2024年12月24日
2024年12月23日
2024年12月22日
蟷螂に会った日
公安条例違反で逮捕され、代々木署で取り調べを
受けたとき、取調官は脅した。
「お前な、黙秘権なんかいつまでもあると思うな
よ。そんなもんなくなるんだからな!」
竹刀でバンバン机を叩いたりした。
「検察舐めんなよ」で問題になっている、今の取り
調べ。可視化とやらで音声も映像もある。が、これ
が進歩≠セろうか。
謂わば「精神」の問題だ。今の方が病みが深い。権力
もメディアも病んでいる。メンヘラだ、みんな。しか
も精神が複雑骨折しているのにそうではないふりをす
る。ふり≠ェうまい。
カマキリはなぜひとりで歩いていたのだろう。
風邪をひいたようだ。
posted by Yo Hemmi at 13:19| お知らせ
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2024年12月20日
中有またはCavatina
(風車)
存在と非在の中間領域はあるか?
中有とか。
じゃあ、犬にも中有はあるか。
バーカ。そんなもんあるもんか。
あいつは最小の単位粒子となって
分子として
空と大地にキラキラと散ったのだ。
まだ散っている。
あいつから曲が送られてきた。
https://youtu.be/mwvDon1_iKs
Cavatina by Stanley Myers,
the Theme from the movie "The Deer Hunter" .
なにが民主主義だ。クソ野郎ども。
『地獄の黙示録』にも犬がでる。仔犬。
サイゴンが好きだった。同じホテルの
同じ階に泊まった。サイゴン川が好き
だった。わたしは溶けかかっていた。
それでよかった。
わたしは犬の死に仮託して己の生を
無意識に繋ごうとしているのではないか。
空のケージが軋んでいる。
posted by Yo Hemmi at 14:43| お知らせ
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2024年12月19日
2024年12月18日
アンニュイの犬
(生後3か月のノン)
勿論、「おい、しっかりせんかい!」と自分に言い
きかせてはいる。けれども、ズルリと崩れていく。
コラープスcollapse。自己崩壊。足がもつれる。犬一
匹の死で、世界が変容する。collapseそんなバカな!
気がついたら、ケージにいつもの灰色のクッションが
ある。犬の食器には新しい水がある。トイレもある。
ケージの戸は開けてある。オシッコはないけれど、犬
は今たまたま不在という設えだ。いつものように寝た
ければ戻ってくる。今はたまたま居ないだけ・・・。
見かねたヘルパーさんの計らいだ。しかし、居間には骨が
あるのだ。白々と。厳然と。
よく「消える」犬だった。あわてて探し回る。クローゼット、
ベランダ、書斎のデスクの下。トイレ。好きなところで好
きなときに、唐突にバタリと寝る。
下から首をひねり、わたしを見上げる。しばしば皮肉ぽい、
非難がましい眼で。小さいくせに圧倒的な存在感。
15年11か月。彼女とはとことん話した。無について。無意味に
ついて。パレスチナについて。ネタニヤフを噛み殺せ!
怠惰でふしだらな、生きること存在することの懈さ、ennui
を漂わせる、音痴の犬。俺の姐御。
掠れ声で青江三奈を歌ってくれた。フフフ。含み笑いする犬。
骨。新品の。白い、あまりにも白すぎるよ。
ありがとう、のんち・・・。
ああ、どうしても足がもつれる。部屋の中で杖をつく。
collapse・・・
posted by Yo Hemmi at 15:12| お知らせ
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骨
午後、のんちが骨だけになって帰ってきた。
小さなマグカップ一つ分。
これで全部。たったこれだけ。
下が脚。中が胴。上が頭・・・ですね。
〈尻尾はどうしたんだ?〉
お得な「なごみコース」です。
「ワンちゃんの毛と爪入りのペンダントもありますが・・・」
ふざけやがって。
でも、買う。
ペンダントをつけて、骨壺を摩る。
チャラチャラと音がする。
俺の喉仏の音か。
温かい。
温かな気がする。
いまさっき犬を焼いた業者の手の温もりかも知れないのに、
きっとそうなのに、
のんちの体温だと己に思い込ませる。
柔らかな犬のお腹の温もりの記憶と記憶がいれかわる。
バカ。ばーか。
のんち・・・。
骨に声をかける。
声が出ない。
しかし、
しかしながら、
声が出ない。
(註)「総じて人は堪えうる悲しみのみを悲しむ」
posted by Yo Hemmi at 17:46| お知らせ
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2024年12月16日
夜明け前、チェットを聴きながら
未明のチェット・ベーカーはしみる。leavingはとりわけ
泣ける。退場。同居犬ノンが未明に逝った。気がついた
時にはもう身体が硬くなっていた。棒みたいに。別室の
死の床に運ぶのは軽い棒を1本移動するごとく簡単すぎて
泣ける。15歳と11か月。
二人して横になり未明のチェットを聴く。死んだ犬とまだ
いぎたなく生きさらばう俺。聴き入る。チェットはいい。
不潔で気だるく投げやりでよい。犬が眼を開けたままなの
で瞼を閉じてやろうとする。硬化していて閉じない。瞳に
何か映っている。
わたしは未練があるがノンはさっぱりしている。明朝、業者
が遺体をとりにきて焼却、午後三時に骨壺が届く予定。通夜
もお別れの会も無論ない。首藤さん、お世話になりました。
わたしは躰にポッカリ穴が開く。穴を風が吹きぬける。
昨夜は満月だったらしい。
ガザを思え、ガザを。
いない犬の気配を探す。
posted by Yo Hemmi at 13:39| お知らせ
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2024年12月15日
2024年12月14日
2024/12/14 23:00
そちらからこちら側に引き戻すなんて無理だ。
ケージを見るとうつ伏せたまま何か吐いている。
顎をクッションの縁にのせて動かない。しかし、
かすかに呼吸はしているようだ。まだ逝けないの
だ。Kと電話で話す。死に際は暴れるかもしれない
けれど、安楽死≠ウせるのにも抵抗がある。おろ
おろするばかり。オロオロはこちらの儀式だ。月並
みな。なるたけ声をかけてあげれば。そうしている。
のんは凄い臭いを放って依然存在を主張している。
体内から出せるあらゆるものを出して。出し切ったら
離陸なのかも知れぬ。ガザ、アレッポの屍体を思う。
屍体たちの臭いを。幽かな痙攣を。麻痺がひどい。
躰にセメントを流し込まれたようだ。薬がきれた。
薬効がなくなった。
たかが犬一匹ではないか・・・。
ケージを見るとうつ伏せたまま何か吐いている。
顎をクッションの縁にのせて動かない。しかし、
かすかに呼吸はしているようだ。まだ逝けないの
だ。Kと電話で話す。死に際は暴れるかもしれない
けれど、安楽死≠ウせるのにも抵抗がある。おろ
おろするばかり。オロオロはこちらの儀式だ。月並
みな。なるたけ声をかけてあげれば。そうしている。
のんは凄い臭いを放って依然存在を主張している。
体内から出せるあらゆるものを出して。出し切ったら
離陸なのかも知れぬ。ガザ、アレッポの屍体を思う。
屍体たちの臭いを。幽かな痙攣を。麻痺がひどい。
躰にセメントを流し込まれたようだ。薬がきれた。
薬効がなくなった。
たかが犬一匹ではないか・・・。
posted by Yo Hemmi at 23:55| お知らせ
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犬の虚空
犬が逝こうとしている。虚空へ。なかなか逝けない。
そうならしばらく居て欲しいものだが、逝くのは決ま
っているので変更はないらしい。悲しい。だが、犬は
戸惑いはあるが悲しんでいるのではない。もう、あら
かた吐き尽くした。犬の臭いが部屋に充満している。
噎せるほどの安息の臭い。犬が逝こうとしている。なか
なか逝けない。逝くのにもエネルギーが要る。彼女には
それがもうない。だから逝くのをただ身じろぎながら待
つ。変更はない。この臭いが消えたらどうすればよいの
か。虚の虚。無の無。逝こうとする犬の臭いは時に猛り
時に鎮まる。虚の虚。無の無に感傷はない。吐き尽くし
たのに、まだ吐こうとしてもがく。犬とともに呻く。
不図、だれかを無慈悲に殺してみたくなる。それもたち
まち臭いに消される。
ケージを覗き込む。ウンチをしている。まだ生きている。
腹が膨らんだり凹んだりしている。未練が湧く。決まった
死からこちら側に引き戻したくなる。
posted by Yo Hemmi at 16:39| お知らせ
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2024年12月13日
2024年12月12日
終焉について
多分、すでにあらかた終わっているのだ。
「ニスは溶け、天鵞絨のように滑らかに輝く小さな皮膚、
神さまの作った可愛い桃色の肌は、私の視線の下の至ると
ころではじけ、裂けてかすかに割れる。・・・」
(La Nausée)
インドから薬が届いた。犬はまだがんばってくれている。
シミュレーションをする。世界は割れる。俺も割れる。
韓国がバタバタしている。が、イルボンより明らかに活き
活きしているように見える。イルボンにはあるべき抵抗が
ない。抵抗の人間的主体がない。イルボンは哀れだ。
犬、まったく食べず。起きもしない。痛みのないことだけ
を祈る。近づいている。
posted by Yo Hemmi at 18:24| お知らせ
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2024年12月10日
2024年12月09日
2024年12月08日
2024年12月06日
次から次へと人が死ぬ
電話でしか話したことのない方が1か月前に亡くなって
いたことを、今日知る。縁はほとんどないのに手ひどい
衝撃を受ける。まったくよく人が消えてゆく。「わたし
病気なのよ・・・」とその方は投げやりな調子で呟いた。
そうなら治すしかない、みたいなことをわたしはぶっき
らぼうに言った。どうでもいいという口調で。病気なら
電話などしてくるなと思っていた。
「治らないのよ・・・これは」とその方は言った。会ったこ
ともない人は訊いてもいないのに声を漏らす。まるで親し
い関係のように。「治らないのよ・・・これは」の声の尾が
こちらの耳に絡みつく。あまりにもあっさりと死んでいっ
た。犬が足下を歩いていく。
いたことを、今日知る。縁はほとんどないのに手ひどい
衝撃を受ける。まったくよく人が消えてゆく。「わたし
病気なのよ・・・」とその方は投げやりな調子で呟いた。
そうなら治すしかない、みたいなことをわたしはぶっき
らぼうに言った。どうでもいいという口調で。病気なら
電話などしてくるなと思っていた。
「治らないのよ・・・これは」とその方は言った。会ったこ
ともない人は訊いてもいないのに声を漏らす。まるで親し
い関係のように。「治らないのよ・・・これは」の声の尾が
こちらの耳に絡みつく。あまりにもあっさりと死んでいっ
た。犬が足下を歩いていく。
posted by Yo Hemmi at 18:20| お知らせ
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2024年12月05日
2024年12月04日
2024年12月03日
野宿者排除
機動隊ら500人で大阪・西成の野宿者強制排除。乱暴だ。
この寒さのなかでどうしろというのか。かつて東京・山
谷の野宿者支援活動をした。支援者は学生を中心に沢山
いた。強制排除などを強行したら衝突必至だった。わた
しは四半世紀以上勤めた社を辞め、山谷のすぐ近くに五
年住んだ。五年がんばったつもりだが、結局負けた。
何に負けたのか。あの臭いに負けたのか。あの風景に負
けたのか。「大利根」でよく飲んだ。脳出血、がんはそ
れからだいぶ後だ。山谷はすっかりきれいになったらし
い。貧困がなくなったからか。そんなことはありえない。
見えなくしている、見させない「装置」があるだけだ。
真夏、山谷から土方に行ったこともある。血圧が200を
超えていた。そのことより、身体の非力にこっぴどく打
ちのめされた。
この寒さのなかでどうしろというのか。かつて東京・山
谷の野宿者支援活動をした。支援者は学生を中心に沢山
いた。強制排除などを強行したら衝突必至だった。わた
しは四半世紀以上勤めた社を辞め、山谷のすぐ近くに五
年住んだ。五年がんばったつもりだが、結局負けた。
何に負けたのか。あの臭いに負けたのか。あの風景に負
けたのか。「大利根」でよく飲んだ。脳出血、がんはそ
れからだいぶ後だ。山谷はすっかりきれいになったらし
い。貧困がなくなったからか。そんなことはありえない。
見えなくしている、見させない「装置」があるだけだ。
真夏、山谷から土方に行ったこともある。血圧が200を
超えていた。そのことより、身体の非力にこっぴどく打
ちのめされた。
posted by Yo Hemmi at 00:50| お知らせ
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