2025年01月31日

石のなかの匂い

水面.JPG

「人が選ぶのは皮をむかれた不毛の土地だ。そこに人は、
空洞の大きな数々の石を転がす。その石のなかには匂いが
閉じこめられている。空気よりも重い匂いだ。ときどき人
は、その匂いを窓から通りに捨てるが、匂いは風で散り散
りに吹き裂かれるまでそこに留まっている。」

パブロン点鼻薬4本。犬に会いたい、のんちに。もしも会え
たなら、会える訳がないのに会えた謎を問いはしない。ただ
ただ感謝あるのみだ。どれほど彼女に助けられたことか。

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2025年01月30日

バックラッシュ

反ユダヤ主義禁止令.jpg

凄まじいバックラッシュだ。皆がトランプの顔色を
窺う。ヘイトが公的に煽られている!下劣な男の戯
れ言とみられていた事どもが、日々公然と法制化され
ている。

映画『The Remains of the Day』
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2025年01月29日

劣情または狂気

狂気の会見.jpg

昨日わたしが「狂気」と書いたのは、無論、フジテレビ
の会見のことだ。その狂気は視聴者の劣情とない交ぜに
なっている。あり得ないことだが、もしもテーマが「貧困
と格差社会と報道のあり方」だったら、クソバエ記者は集
まるまい。件のテレビは貧者の万引きや賽銭ドロボー事件
などを鬼の首でもとったように報道≠キるので有名だっ
た。即ち、強きを扶け弱気を挫く。「人権」が聞いて呆れ
る。そう言えば、ジル・ドゥルーズはテレビを観るという
ことの「羞恥」について書いていたっけ。

クエン酸を舐めてみる。ちょっぴりシャキっとする。
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2025年01月28日

多分、いつか人びとは狂気が・・・

狂気の内在.JPG

「多分、いつか人びとは狂気がどんなものでありえたかが、
もうはっきりわからなくなるだろう」。狂気をはさんだ彼我
のかんけいはいま、融けてしまった。狂気がだれにもひとし
く内在化され、内面化され、正気との辨別がついに不可能に
なる日。「多分、いつか人びとは狂気がどんなものでありえた
かが、もうはっきりわからなくなるだろう」という、その
「いつか」が、すでにきている。ーー『国家、人間あるいは
狂気についてのノート』(辺見庸 毎日新聞刊 2013)

体調不良。ジム休む。



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2025年01月27日

カポーティ

冷血.jpg

また『冷血』を観る。音楽を聴いたことがあると
思ったら、クインシー・ジョーンズだ。すばらし
い!

フランスはかつて植民地ベトナムでギロチンを執行
していた。

余生は回顧だけ。ハノイ時代のそれは、モノクロで、
なぜか至極甘い。
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2025年01月26日

ルーター

ムスカリ咲く.jpg

「存在の偶然性は見せかけでもなく、消し去ることの
できる仮象でもない。それは絶対であり、したがって
完全な無償性である。すべては無償だ、この公園も、
この町も、私自身も。それを理解すると胸がむかむか
して、すべてはふわふわと漂い始める。・・・」La Nausée
「しかし、何とお粗末な噓だろう。誰も権利など持っ
ていはしない。彼らもほかの人間と同様にまったく無
償であり、自分を余計な者と感じないわけがない。」

栄山関らと一緒に正代応援。負け越し。勝っても負けて
もつまらなそうな顔。そこがいい。

「私はマロニエの根だった。と言うよりもむしろ、完全
に根の存在の意識になりきっていた。・・・」
「至るところに、無限に、余計な存在がある、常にどこ
にでもある。存在は──存在によってしか限定されない。
私はこの発端のない存在物の氾濫に呆然と打ちのめされ
て、崩れるようにベンチに座った。至るところに孵化があ
り、開花があり、私の耳は存在でぶんぶん耳鳴りがしてい
た。・・・」
「木は、存在したいとは思っていなかった。ただ、存在を
やめるやめるわけにいかなかったのだ。それだけの話であ
る。」
「自分自身の死を内的必然性として誇らしげにおのれのう
ちに抱えているのは、音楽の調べのみだ。ただし音楽は存
在ではない。すべての存在者は理由もなく生まれ、弱さに
よって生き延び、出会いによって死んでゆく。・・・」
「どこからこうしたものが出てきたのか、どうして何もない
状態ではなく、一つの世界が存在することになったのか、そ
れを不思議に思うこともできなかった。それは意味がなかった。
世界は前にも後ろにも、至るところに現存していた。世界以前
には、何もなかった。何一つなかった。・・・」
似たような問題提起を中島敦もしたことがある。

「あたしは余生を送っているの」
わたしもいまは余生を生きている。だがしかし、余生とは何か?
本生≠ネどないなら余生もないはずだ。疲れた。














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2025年01月25日

絵の具

絵の具.jpg

「存在する風がやって来て、大きな蠅のように木に留まる。すると木が震える。
しかし震えは一つの性質の誕生ではなかったし、可能態から現実態への移行でも
なかった。それは一つの物だった。物である震えが木のなかに忍びこみ、木を捉
えて揺らし、そして不意に木を見捨てると、遠くへ立ち去って、くるくる回転し
ていた。・・・」

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2025年01月24日

砂嵐ーー視床痛

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「どこからこうしたものが出てきたのか、どうして何もない状態
ではなく、一つの世界が存在することになったのか、それを不思
議に思うこともできなかった。それは意味がなかった。世界は前
にも後ろにも、至るところに現存していた。世界以前には、何も
なかった。何一つなかった。・・・」

posted by Yo Hemmi at 22:01| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年01月23日

壁について

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「とつぜん彼女は顔の上に、私がとても好きだったメドゥーサの
見事な顔を登場させる。憎悪で膨れあがり、すっかり歪んで、毒
を含んだ顔だ。・・・」
 皆が疲れている。ひどく疲弊している。

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2025年01月22日

無からの存在

「私は無から存在が生じ、徐々に成熟して花開くのを
見ようと身構えていた。こうしていよいよ私は存在の
不意を襲って、それが誕生しつつあるところを見るこ
とになるだろう。・・・」

posted by Yo Hemmi at 23:34| お知らせ | 更新情報をチェックする

常識の革命

常識の革命.jpg

「本質的なことは偶然性なのだ。」
「黒い木の株は過ぎて行かなかった。それはそこに、
私の目のなかに留まっていた。大きすぎる食べ物が喉
につかえて留まっているように。私はそれを受け入れ
ることも、拒むこともできなかった。いったいどんな
努力を払って、私は目を上げたのだろう? そもそも、
私は目を上げたのか?」

独りで暮らすのと二人で暮らすのはまったく違うことだ。
わたしは犬に死なれて独りになったが、依然犬の影と二人
で生活している。

人間には男か女しかいないか。そうだとしたら、ナチの
思想である。



posted by Yo Hemmi at 17:07| お知らせ | 更新情報をチェックする

tyrannyとネオナチ台頭

タイラニー.jpg

イーロン・マスクのハイル・ヒトラー≠ニトランプの
タイラニー。ドイツのネオナチ台頭。大衆であることの
無力と虚無。

posted by Yo Hemmi at 01:50| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年01月20日

ヒヤシンス

ヒヤシンス.jpg

「つまり定義すれば、存在は必然ではない。存在するとは単に、
そこにあるということなのだ。存在者は出現し、出会いに身を委
ねるが、人は絶対にこれを演繹できない。そのことを理解した人
もいるだろう。ただし彼らは、必然的な自己原因の存在を作り上
げて、この偶然性を乗り越えようと試みたのだ。・・・」

世界はしばしば乗っ取られる。例えばドナルド・ジョン・トランプ
のような男に。かれはYMCAの曲に合わせて、腰をくねらせ、ちょう
どタオルを使った背中洗いのような所作でトランプ・ダンスを踊り、
世界を嘲弄するのだが、嘆くには及ばない。世界とはもともとその
程度の下品で低劣なものであることを、あの金髪オヤジは頼まれも
してないのに教えてくれているのだ。

それは確かに屈辱ではあっても、特段の前進でも後退でもない。

posted by Yo Hemmi at 21:25| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年01月19日

自身に過剰なもの

過剰なもの.jpg

「最も単純で分解不可能な性質も、それ自体の内部に、その中心に、
自分自身に対して過剰なものを持っていた。そこに、私のすぐ足許に
あるこの黒は、黒のようには見えなかった。むしろそれは、黒を一度
も見たことのない人が黒を想像しようとする、混乱した努力
のようだ
った。」La Nausée

posted by Yo Hemmi at 23:28| お知らせ | 更新情報をチェックする

記憶と錯誤

輝けるカーテン.jpg

『顔のないヒトラーたち』といふ、どことなく大雑把
で何となくお気楽な感じもしないではない映画を観て
知った。アウシュヴィッツを知らない(または知らな
いふりをする)者がドイツにはたくさんいるらしい。
アウシュヴィッツが何処にあったか、なにがおこなわれ
ていたかーーの記憶は、それを消去したい欲動もあり、
薄れ、歪んでもきているようだ。必ずしも同質の問題で
はないけれども、ニッポン軍の中国での蛮行もだいぶ
忘れられ、過小に位置づけられるようになりつつある。
政治が記憶を操作してもいる。細部だ、細部。

知りあいの大学講師が授業内容が政治的≠ニ批判され
たと聞き、そのような干渉こそが言葉の正しい意味で
「政治的」なのだとわたしは思った。

次のように言うことに然したる意味はない。世界は烈し
く右傾化している。そうして徐々に戦争構造を築きつつ
ある。

犬に会いたい。


posted by Yo Hemmi at 16:48| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年01月17日

清掃

『関心領域』.jpg
『関心領域』

「たとえば狂人の行なう演説は、彼のおかれた状況との関係
では不条理だが、彼の妄想との関係では不条理でない。」
あらゆるナラティブがそうではないか。而して狂気と正気には
境界がないか、もしあったとしても極めて曖昧だ。それらは
地続きの可能性がある。わたしはまるでLa Nauséeを写経
しているようだ。

『ヒトラーのための虐殺会議』は単なる狂気ではなく環世界
における正気でもありうる。反転して、ネタニヤフらは単なるガ
イキチではなく環世界の常人たりうる。

犬の不在にまだ慣れない。ケージがまた鳴く。

ウクライナ映画『リフレクション』。


posted by Yo Hemmi at 13:35| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年01月16日

撃滅

撃滅.jpg

46000人以上の死者の魂はいつまで漂泊すればよいのか。
醜い手柄≠フ競い合い。誰が誰をどのように撃滅した
のか。誰が誰にどのように撃滅されたのか。累々とどこ
までも死者の原・・・。

『関心領域』。何か引っかかる。腑に落ちるようで、腑に
落ちない。




posted by Yo Hemmi at 22:36| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年01月06日

予めの存在ーー震え

根.jpg

「ところでいかなる必然的なものも、存在を説明する
ことはできない。存在の偶然性は見せかけでもなく、
消し去ることのできる仮象でもない。それは絶対であ
り、したがって完全な無償性である。・・・」
La Nausée

皇族が並んで手をふるとき、かれらの肛門も必然的に幽
かに震えているのである。それはなにも皇族に限ったこ
とではない。死刑囚だってそうだ。わたしの小さな犬も
そうだった。彼女は吠えるとき、吠え声と同時的に美し
い肛門を震わせた。

存在も非在も絶対である。(本質よりも)絶対的である。
そのことを愛おしいと思うのはこちらの勝手だ。





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2025年01月05日

指.jpg

「もしも存在するのだったら、そこまで存在する必要が
あった、黴が生えるまで、膨れ上がるまで、猥褻と言え
るまで存在するのだ。」La Nausée

参賀。一般参賀。バンザイ、バンザイ、バンバンザイ!
こいつら、見世物、晒し者・・・猥褻と言えるまで存在する
のだ。La Nausée ゲロ。

「人間のみに起こるいかなることも自然ではない」



posted by Yo Hemmi at 17:30| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年01月02日

安っぽさへの献身

安っぽさへの献身.jpg

「私たちは、自分自身を持てあましている多数の当惑した
存在者だった。私たちの誰にも、そこにいる理由などこれ
っぱかりもなかった。
存在者の一人ひとりが恐縮して、漠
とした不安を抱えながら、他のものに対して自分を余計な
ものと感じていた。余計だということ。これこそ私が、木
々や鉄柵や砂利のあいだに確立することのできた唯一の関
係だった。」(La Nausée)

けふもあれが軋む。ケージが。もう不思議とも思わない。解
明の必要もなかろう。それは単にギギーと軋んだのだ。あい
つは居なくなり方を知っていた。未明の消失のコツを・・・。

クラスター発生。

85歳にしてなお元気な秘訣?「酒も煙草もやめないことだね。
それ以外、なにもないよ」(by足立正生監督)



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2025年01月01日

金魚

金魚.jpg

「こんなふうに存在する物は、もう充分にあるのだ。・・・」
(La Nausée)

そ(こ)のように在ること、そ(こ)のようにしかないこと
に、いい加減飽き飽きしている。金魚は真っ赤なウソである。
わたしは相変わらず幽き気配と暮らしている。幽き気配とと
もに。それは薄れるようでいて一向に薄れない。

ジンバブエが死刑を正式に廃止した。ジャパンは天皇制
もなくそうとしない。固執すればするほど、二つには何らかの
関係があるのではないかと思えてくる。なるほど、天皇誕生日
には死刑が執行されない。

アレジオン買う。
posted by Yo Hemmi at 16:03| お知らせ | 更新情報をチェックする