2018年11月11日

微苦笑


決心らしき心もちは、なにもない

もういいのではないか。やめてもよいのではないか。いいかげん
しおどきだろう・・・。仰向いて、そう話しかける。犬に。約10年
も同居している無口な犬に。けふ、ヨブの話もした。サタンのこ
とも。

同じ階のマックス君のこと。歯がないので舌をたらしているマッ
クス君の幸せについて。たくさん散歩をさせてもらっている老犬。
がんも克服したらしいぜ。ニッポンゴはあかん。ポルトガル語しか
解さんのやて。

オブリガード! マックス君、目をまんまるにしてふりかえる。
整形したみたいな美形。まるでアニメのワンコ。うちのは暗い。
他の犬にも他のひとにも関心をしめさない。

もっと愛想があってもよいとおもわぬでない。しかたがない。わたし
だって無愛想だし。見ず知らずのオヤジが無愛想な犬に口笛を
吹く。犬、ふりかえりもしない。気安く口笛なんか吹くなよ。

数週間前まであったオオクチナシのしげみが、ウソみたいになくなって
いた。夏場に八重の白い花を咲かせてはボトリボトリと落としていた。
化けものみたいなおんなの樹。更地になっていた。

サイゴン川にみえる黄土色の道。わたる。犬、ふりむく。わたくし
にたいし微苦笑を浮かべている。犬が。死んだ犬は歯をくいしばる。笑
わない。けっして。したがって、犬はサイゴン川を流れている腐った死
犬じゃない。

なにも決心しない。オオクチナシのにほひ・・・。

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posted by Yo Hemmi at 19:01| お知らせ | 更新情報をチェックする