2019年08月09日

『アリョーシャ年代記』


工藤正廣著アリョーシャ年代記』

けふメールがあった。「工藤正廣さんがご自身でお書きに
なられた長篇小説『アリョーシャ年代記』(未知谷)が全
3冊で完結の運びとなりました」という。ついては3冊そろ
えておくりたいので・・・云々。大ニュースだ! 熱波のなか
でめまいがした。

工藤さんにはなんどとなくお目にかかったことがある気で
いるけれども、よくかんがえれば一度もない。最初はたしか
ロープシンの『漆黒の馬』(晶文社 1968年)だ。若き
工藤さんが翻訳し、高橋和巳が解説を寄せたそれを、わたし
は拳銃のようにもちあるいたものだ。

『蒼ざめた馬』も工藤訳で読んだ。メールの差出人は「『ド
クトル・ジヴァゴ』の訳者」として工藤さんのお名前を掲げ
ている。たしかに『ドクトル・ジヴァゴ』も名訳である。だ
が工藤さんの訳業はひろく長く深い。

『アリョーシャ年代記』についてわたしはまだ知らない。わ
たしが知っているのは、工藤さんの仕事への超絶的ともいえ
る持久力と深みだ。よい仕事というのは、かならずといって
よいほど割が合わない。そんなことを百も承知の工藤さんと
未知谷にあらためて敬意そして羨望!

北海道でお会いする約束をまだはたしていない。いただいた
豪華な(たぶん世界一立派な)木製書見台のお返しもしてい
ない。近々『アリョーシャ年代記』がわたしの書見台にのる
はずだ。どこからかタバコのにおいがする。工藤さんのお手
紙には工藤さんがいつもタバコのにおいになって入りこんで
いた。













posted by Yo Hemmi at 15:30| 所感 | 更新情報をチェックする