2019年12月26日
死刑執行
○時々刻々チリチリと狂う
歯が抜けた。歯の抜けた穴が、陰門のやうに
臭った。タチのわるい、ああ、とてもふとどき
な臭い。恥ずかしい臭み。とても手に負えぬ。
ロブスターを食いにいった。ばあさん店員が
階段をおりるわたしを横から支えてくれた。
彼女は介助を知っている。おぬしやるのう。
なんのなんの。美人ではないばあさんが言ふ。
波状の皺がゆれる。なにかがある。皺が泣いて
いる。曇天。皮膚のギャザー。なにかがある。
あるいは、なにかがあった。犬が咳をする。
ばあさん店員の目つきではげしく咳をする。
気道虚脱。なにかが起きている。被災者と同じ
目の高さでてんのうこうごうがお話しされて勇
気と元気をもろたこのよき日、歯の抜けた穴が、
ぷーんと陰門のやうに臭いやがった。
責任をとっていただきたい。気道虚脱の犬が
言ふ。勇気と元気をもろたこくみんたちとその
やうなクソ原稿を書いた記者どもが、歯の抜けた
陰門同然の穴でだね、もわりもわりと臭いぬるか
な。けふ午前、死刑執行。
posted by Yo Hemmi at 22:53| お知らせ
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