2020年04月23日


錆くさい街

テラスのタンポポ.jpg

タンポポの陰に青い小さな蛇がいた。みるまにすべって消えた。
目があった気がする。うれしかった。蛇だけはマスクをしていな
いとおもった。

街は廃れていた。ファミレスのトイレがひどく汚かった。錆くさ
かった。からだほど大きな荷物をもったおんなが蹌踉とあるいて
いた。

約束をことごとくたがえた世界がたわんで沈んでいる。カフェで、
気がふれたらしい髭のおとこが、宙に話しかけている。パクパクと
口がうごく。目は鋭いのだけれど、少しも光ってはいない。

みんなオジャンだなとおもふ。

きのうもスカイプでインタビュー。「乏しさ」について話す。貧
困にかんし。「健康」について。モニターがときどきゆがんだ。
とてもまじめな女性のインタビュアーが、気のせいか、泣いている
ようにみえた。

つい2、3か月前のことでも、はるか遠い昔のことのように懐かしい
のだ。





posted by Yo Hemmi at 16:42| メモ | 更新情報をチェックする