○VIRIDIANA

いやーっ、興奮したね。なんとはなしにルイス・ブニュエルの
『ビリディアナ』(1960)をおもだした。トランプ支持者ら
による議場乱入、乱暴狼藉。ブニュエルのファンなら、だれだっ
て『ビリディアナ』を想いだしたはずだ。
ヘンデルのメサイヤをバックに浮浪者らに乱痴気騒ぎをさせてみた
あの作品、どうやら「最後の晩餐」をモチーフにしていたようだが、
カトリックにたいする徹底的な冒涜として映画的、思想的に成功し
ていた。
議会占拠を米国民主主義の崩壊などと息まなくても、United States of
Americaにそもそもデモクラシーなどあったかいなと疑るほうが、この
際、至当でありんす。
もうひとつ。あらゆるイメージと想像力をリアリティが食い破る。
これだ。すでにして、ありえないことはなにもない。9.11も核戦争も。
そう、アホまるだしのトランプ支持者の群れをNBCの実況でみていて、
おもひましたよ。こいつら核戦争でも平気でやるのだろうな。
バイデン=善、トランプ=悪の単純図式ではなにも収まりはしない。
このたびの乱暴狼藉、ともあれ、ハリウッド映画よりよほどおもし
ろかった。便所下駄みたいなガスの面みせられるより、もちろん。