ウツっぽい。遠くの空を飛行機がゆっくりと横に剪っていく。
落ちないかな、と思う。落ちろ、とは思わない。落ちないかな、
だ。同居犬はわたしより大人だ。上目遣いでわたしを気遣う。
北条民雄は落ち着く。なぜだろう。わからない。夜、帽子を目深
に被りうつむいてトボトボ歩く男。月光。ああ、23歳で亡くなっ
たのだった。1937年。イクミナの年に。
ヘルパーさんが「研修」で休むと言う。原発見学。アゴアシつき。
敬虔なクリスチャンの彼女は何も疑っていない。東電もずいぶん罪
なことをする。わたし、露骨に厭な顔をしてしまう。彼女は渋面に
も気づいていない。原発見学を楽しみにしている。ますますウツが
こうじる。
セントジョーンズワートエキス末650mg4粒飲む。何が「応援ハーブ」
だ。少し吐き気。