2024年12月17日


午後、のんちが骨だけになって帰ってきた。
小さなマグカップ一つ分。
これで全部。たったこれだけ。
下が脚。中が胴。上が頭・・・ですね。
〈尻尾はどうしたんだ?〉
お得な「なごみコース」です。
「ワンちゃんの毛と爪入りのペンダントもありますが・・・」
ふざけやがって。
でも、買う。
ペンダントをつけて、骨壺を摩る。
チャラチャラと音がする。
俺の喉仏の音か。
温かい。
温かな気がする。
いまさっき犬を焼いた業者の手の温もりかも知れないのに、
きっとそうなのに、
のんちの体温だと己に思い込ませる。
柔らかな犬のお腹の温もりの記憶と記憶がいれかわる。
バカ。ばーか。
のんち・・・。
骨に声をかける。
声が出ない。
しかし、
しかしながら、
声が出ない。


(註)「総じて人は堪えうる悲しみのみを悲しむ」


posted by Yo Hemmi at 17:46| お知らせ | 更新情報をチェックする