
「ところでいかなる必然的なものも、存在を説明する
ことはできない。存在の偶然性は見せかけでもなく、
消し去ることのできる仮象でもない。それは絶対であ
り、したがって完全な無償性である。・・・」
La Nausée
皇族が並んで手をふるとき、かれらの肛門も必然的に幽
かに震えているのである。それはなにも皇族に限ったこ
とではない。死刑囚だってそうだ。わたしの小さな犬も
そうだった。彼女は吠えるとき、吠え声と同時的に美し
い肛門を震わせた。
存在も非在も絶対である。(本質よりも)絶対的である。
そのことを愛おしいと思うのはこちらの勝手だ。