(K.H)
「毛深い顔には人間と同じような智恵を持つ者の眼が二つ輝いていた。
その双眸の奥には人間と同じ霊魂が宿っていた。彼の人生を包んでいた
闇冥の中で、一つの無限的なるものがその双眸にたゆとうていた。彼に
はあることづけが託されていた。それが何であるかは分からなかったが、
それを瞳の奥で把えていた。それは光でも色でもない。信じられないよう
なある何物かであった。ちょうど傷ついた羚羊の眼の中に見られるような
ものであった。」
サーデク・ヘダーヤト『盲目の梟 』「野良犬」(白水Uブックス)
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