2018年12月28日

頸骨


明日、早苗と会いにいくよ

ハト母.jpg

昨日、芝さんの腕につかまり森をあるく。森の奥から音がする。
バキ・・・バキ・・・。頸骨がくだける音。昨日朝、絞首刑があった。
その音。図にのって刑を命じたものよ、最低のおとこよ。

きみと死刑をみてみぬふりをするものどもに、どんな不幸がお
とずれようと知ったことではない。

芝さんが種子島の話をしてくれる。「平原」姓について。安納芋
をいただく。おーい、ひらはらよ、元気か?芝さん、ありがとう
ございました。

ずっと風邪だかなんだか調子がわるい。とくに言いたいことも
なし。獺だからつきあう。あと、白髪鬼中野さんだから、
この身をさらす。ほかのやつならぶんなぐる。または延髄斬り。

1月13日の朝の5時から放送される。1時間の駄弁、グチ、徒労・・・。
『月』について。みるものはみて、みないものはみるな。たぶん、
これが最後だろう。獺は帰省せずに編集。

獺をひとあたりのよい、無害な常識人とおもったら大まちがいだ。
13日の朝の5時にみれば、わかるものはわかる。おれの狂気とやつ
の狂気がどこかでチリリとショートするかどうか。しないのか。

むかし、クラプトンの表紙の音楽誌をさしいれしたな。あれは紀伊
國屋でかわうそが買った。かれはことのほかよろこんだ。何年かし
て吊された。で、おれは紀伊國屋で講演して風邪をこじらせた。

明日、早苗に会いにいくよ。ねえ、おとうさん・・・って言ってもいい
ぜ。いっしょに逃げようか、さーや。




posted by Yo Hemmi at 17:32| 私事片々 | 更新情報をチェックする

2018年12月12日

ねえ、あんた


着座ラジオ体操で

「ねえ、あんた、あんた・・・」。総合着座ラジオ体操の最中に
横から声をかけられる。頬のこけた老女。落ちくぼんだ目。
かわいた牡蛎。痩せた手がまねいている。わたしを。「ねえ、
あんたあ・・・」

みえなかったふりをする。聞こえぬふり。老女、車椅子からまた
手まねき。ささやくように「ねえ、あんたあ・・・」。知らぬふり。
でも、みている。呼びかけてくる。「お父さん・・・」。「ねえ、
お父さん・・・」

わたし、口のなかで、むむむと言う。「お父さん・・・」。すがるよう
に。執拗に。「ねえ、お父さん・・・」。「むむむ・・・」。指導員の
声。「××さん、お父さんはいないでしょ?」

入れ歯が合わなくなっているのだろう、小さくカタカタと音が
する。「ねえ、お父さんてば・・・もう帰ろ・・・」。「うん・・・」と
小声で応じる。境界はない。もう帰ろうか、とおもう。

インストラクターがくる。いっしょにマシーンにむかう。背中が
聞く。「ねえ、お父さん・・・」
posted by Yo Hemmi at 15:13| 私事片々 | 更新情報をチェックする