2025年04月21日

必読

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朝日新聞デジタル記事〈利用者を「あいつらはくず」 
生活保護窓口の闇、役所内からの証言も〉は必読。ま
るでザイトクカイ≠フような対応を行政がやってい
る。生活困窮者に対する役所およびケースワーカーの
仕打ちは、例外もあるだろうけれど、常軌を逸してい
る。

外電の見出しはすべてPOPE FRANCIS DIESであった。
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2025年04月20日

蛾と月

the moon.jpg

「蛾が街灯に群がるのは、それを月だと錯覚している
からだという。」(石沢麻依「ドストエフスキーの月と
蛾」現代思想2021年12月臨時増刊号)



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鏡面

カメリア.jpg

虚けた老人がいた。


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2025年04月18日

赤瀬川原平

『黒馬を見たり』の装幀は赤瀬川原平=尾辻克彦であった。
赤瀬川は沢山沢山書いている。中平卓馬さんと対談もしてい
る。みんな死んだ。一頻り大騒ぎしてから、みんな確実に死
ぬ。

執筆に入る。
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2025年04月17日

痙縮

痙縮.jpg

「オイコス(oikos)には──そしてそれと本性をともにす
るスタシスには──本質的な両義性が内属している。オイコ
スは都市の破壊を起因するものであるとともに、都市を統
一されたものとして再構成することのパラダイムでもある、
という両義性である。・・・」(ジョルジョ・アガンベン
『スタシス ーー政治的パラダイムとしての内戦』青土社)

音もなく密やかに誰にも気づかれず、己も知らずに発狂し
てしまっていることだって大いにありうるのではないか。
朝、わたしはそう答えておいた。痙縮は容赦なくつづいて
いる。古参の公安警察が時折明るく笑いながらするあくどい
拷問のように。

それは甘えとか不注意とか驕慢などとは毫も関係がない、謂わ
ば〈純粋な苦痛〉である。
posted by Yo Hemmi at 14:58| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月16日

『黒馬を見たり』

黒馬を見たり.jpg

視床痛。痛え。右側は死んでしまい、冷え切っている。
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2025年04月15日

瞬間の老い

けふの雲たち.jpg

「七月三日。
 グルーシャが草の上に坐っている。・・・日が昏れる。
あたたかい大気のなかで蚊の翅音がきこえる。」

「瞬間の老いが、瞬間のさまざまな権能に制限を加え、
瞬間を死の切迫性へと開くのである。」

ジムを休み、ナナちゃんとタトゥーを入れてもらいに
いく。フクチンと八番ラーメン食う。タトゥーが沁みる。


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2025年04月14日

預言

預言.jpg

MEET THE PRESSMEET THE PRESS(CBS)
Investor who predicted the 2008 financial crisis says he's 'worried
about something worse than a recession'
Ray Dalio, the founder of the hedge fund Bridgewater Associates,
warned about tariffs, growing debt and other economic concerns.
なそうだ。なぜか。資本主義の宿命か。ちょっぴり期待する心持
ちもないじゃなし。景気後退どころか「大恐慌」だってありかも。
トランプの汚ったねえケツにキスしにいくヌッポンジンや哀れ・・・。
さあ始まるぞ、てか、もう始まっているぞ。ディストピアの闇愈々
深し。

「連合」会長は労働者の代表面をすべきではない。労働者の諸権
利を売りわたす、右派権力者としての正体を明らかにし、以て
徹底的に骨抜きにされた御用組合の累々たる死骸のなかで、醜怪な
ダンスでも踊り続けていただきたい。

映画「月」観る。じつは初めて。りえちゃん、可哀想なほどいっぱい
いっぱい。

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2025年04月13日

カメと思惟

リクガメ.jpg

スイカを食べている大きなリクガメの動画を見る。
何を考えているのか。何も考えていないのか。何も
考えずにただ存在しているとしたら、それはそれで
考察に値する。右肩に痛み。脱臼したような。

大邱の夜店でミドリガメを買い、それを持って公園
の観覧車に乗った。イ・ヨンスさんが下から見上げ
ていた。とても寂しそうだった。カメがバッグの中
で「ククク・・・」と鳴いた。

軽井沢のナオジが戸井田道三の『能芸論』を読み始め
たらしい。1948年の著作で、天皇制と能楽の関係を説
いている。ナオジ🐱えらいなあ。

えっ、関西文化は反権力≠ナすか?で、万博OK?
アホちゃう?
posted by Yo Hemmi at 13:43| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月10日

犬と熊とガザと

飛行機雲.jpg

赤いシトロエンの中から撮った。死んだ犬とこれから殺される
だろう体長1メートルほどのクマのことを考えていた。ドッグラ
ンを犬たちがわざとらしいほど幸せそうに駆けている。血。ガザ
の血。空を剪るジェット機。バンカーバスターを積んだ米軍機。
やってられない。やってらんない。バンカーバスターを10発ほど
ホワイトハウスに投下せよ。誰が狂っているのか。体長1メートル
ほどのクマか広末涼子かフレブルかネタニヤフかとトランプか、
俺自身か。テクノロジーは前進あるのみ。後退しない。だが、
「思想」はしばしば退行する。レジス・ドゥブレは正しい。いま、
思想はない。何処にもない。せめて、狂え。バンカーバスターを
正確にホワイトハウスに投下せよ。
posted by Yo Hemmi at 23:16| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月09日

紅い花

紅い花.jpg

「世界が有するさまざまな潜在性は私たちの自然本性に
書きこまれており、私たちがそれをみずからの実存によ
っても発展させるとしても、そうなのだ。」
(『全体性と無限』)

著しく小さなもの、非常に弱いもの、極端に視えにくいも
の、忘れ去られたもの、無残に放擲されたもの、蹂躙され
つづけるもの、極めて貧しきもの・・・それらへの眼差し。

とてつもない暴力が腰だめにして待ち受けている。
posted by Yo Hemmi at 18:02| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月07日

大量殺戮の気分

ガザ.jpg

ガザの死者が5万人を超えた。ネタニヤフやトランプ
はどんな気分なのだろうか?スッキリしているのか。
ネタニヤフ、トランプを狙撃する前に、大量虐殺の
フィーリングに関し、詰問しようではないか。グッド
フィーリングかと。

死刑反対の信条が揺らぐのだよ。ネタニヤフとトランプ
にハグを強いて、然る後に二人同時に撃ち殺したい衝動
を抑えるのに必死なのである。
posted by Yo Hemmi at 19:00| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月06日

我らの血の復讐を

馬.jpg

「聖にして真なる主よ、何時まで審かずして地に住む者に
我らの血の復讐をなし給はぬか」

わたしはかつて中華人民共和国北京市斉家園外交公寓8−41
に住んでいたのだ。わたしは今のような世界を露ほども
イメージしていなかった。わたしは死ぬほど元気で、死ぬほ
どバカだった。わたしは絶えず怒張していた。なぜと言うに、
真底愚かだったからである。

posted by Yo Hemmi at 22:57| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月05日

ポール・ニザン

アデン アラビア.jpg

左手で書架の整理をしていたら『アデン アラビア』が湿気った
匂いとともに落ちてきて、胸がしめつけられた。1966年初版。
晶文社。580円。
「ほんとうに知らねばならないものについて、ひとは何ひとつ
知ってはいなかったのだ。」
2025年4月5日夜、まったく同じ嘆息をつく。
posted by Yo Hemmi at 23:37| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月04日

TDS

エテ公.jpg
(ボク、トランプ。いい湯だなあ)

TDSといふ略称はまことに意味深だ。 不正薬物・爆発物探知装置
(Trace Detection System)でもあり精巣形成不全症候群
(Testicular Dysgenesis Syndrome)でもあるし、 トランプ錯乱症候群
(Trump derangement syndrome)でもあり、これらは相互に関連しう
るといふのだから、厄介である。

きょうび憲法9条を大事に思っている者はアホであろうか。
だとすれば、やつがれは相当のアホである。それでよい。

「邂逅」には巡り会いと形容動詞「たまたま。偶然に」の
意味もある。
posted by Yo Hemmi at 15:15| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月03日

マグノリアーベルグソン

マグノリア.JPG
(🐟さん家のマグノリア)

「感官の直接的な現在の与件に、われわれは過去の経験の細部を
無数に混ぜ込んでいる。ほとんどの場合、そうした記憶のほうが
現実の知覚に取って代わってしまい、そうなると知覚のうちでわれ
われが保持するのは、何らかの標識、過去の古いイマージュを想起
させるただの「 記号」ばかりとなる。」(『物質と記憶』)

マグノリアの花瓣がしきつめられた雨の庭を猫がシャナリシャナリと
歩いてゆく。記憶の花瓣を踏みしだく。猫の勝利だ。完全な勝利だ。



posted by Yo Hemmi at 17:10| お知らせ | 更新情報をチェックする

ヨナ

ヨナ あるいは制作する芸術家 われを取りて海に投げ入れよ……
そはこの大いなる颶風の汝らにのぞめるはわがゆえなるを知れ
ばなり。 ヨナ書第一章第十二節

カミュ『転落・追放と王国』
posted by Yo Hemmi at 00:23| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年04月02日

ウルフ.jpg

「ぼくの根は世界の深いところへ向かって、レンガ作りの
乾いた地面と湿った大地を降り、鉛や銀の鉱脈を降ってい
く。ぼくはすべて繊維だ。揺られると必ず震えて、肋骨に
は大地の重みがのしかかる。地上ではぼくの眼は緑色の葉
で盲目だ。・・・」(ヴァージニア・ウルフ『波』)

ヒトギライにとって人と会うのはとてつもない冒険だ。直観
しかない。直観はしばしば外れる。あるいは修正を迫られる。

🐟さんからマグノリアの写真を送ってもらう。なんて豪華
なのだろう!

アマプラでは『下女』を観ることができないらしい。観たい。
あっ、YouTubeで視聴できるって。

トランプ政権は文字通りならず者集団である。
posted by Yo Hemmi at 17:10| お知らせ | 更新情報をチェックする

椿

ツバキ.jpg

「マルクスがナポレオン三世についていったように、歴史には同じ
出来事が二度起こることがある。一度目は実際の歴史的重要性をも
つとしても、二度目ともなれば最初の出来事の戯画的再現や醜悪な
化身にすぎず、その伝説的な効果のおかげでなんとか成り立ってい
るというわけだ。」
(ジャン・ボードリヤール『消費社会の神話と構造』 )


posted by Yo Hemmi at 00:17| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月31日

常勝の史的唯物論

犬.jpg

「このせむしの小人はチェスの名手で、紐で人形の手を
操っていたのだ。この装置に対応するものを、哲学にお
いて思い描くことができる。「歴史的唯物論」と呼ばれ
ている人形は、いつでも勝つことになっている。この人
形は誰とでもらくらくと渡り合うことができるのだ。」
(ヴァルター・ベンヤミン『ベンヤミン・アンソロジー』)

皮肉だ。皮肉でしかない。トランプには言葉が通じやしない。
posted by Yo Hemmi at 15:21| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月30日

サウダージそして疑い

疑い.jpg

アントニオ・タブッキは言う。「疑いは、洗濯された白いシャ
ツについた染みのようなもの。すべての作家、文学に携わるす
べての人間の仕事は、完全なるものに疑いを染みこませること
である。なぜなら、完全なものはイデオロギー、独裁、全体主
義の概念をもたらす。民主主義とは完全な状態ではないのであ
る」

犬は去年の前半から体調を崩していた。元気なふりをしていた。
posted by Yo Hemmi at 18:14| お知らせ | 更新情報をチェックする

『グリーン・フィッシュ』

イ・チャンドン監督は眼だけでなく、腰の構えがいい。
例えば、フドウイセイコウ≠ネどどうでもいいのだ。
喧嘩したらコテンパンにやられるだろう。
posted by Yo Hemmi at 01:18| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月28日

丁寧に観ること

アグネスの詩.jpg

イ・チャンドン監督の『ポエトリー アグネスの詩』
(2010年)とてもよかった。味読するように味観
する。緻密で厳しい。

「・・・思い出の方が、こうした過去の不朽性や、自我か
ら自己への回帰に基礎を置いている。しかし、新しい瞬
間のそれぞれに浮かびあがる思い出は、すでに過去に新
しい意味を与えているのではないか。・・・」
(『全体性と無限』 )

林真須美さんのドキュメンタリー映画『マミー』を観たい。

Federal agents detain and revoke student visa of Turkish graduate student
Trump admin revokes hundreds of student visas, targeting scholars for activism
Some students have been picked up off the street and held in detention centers,
sometimes 1,000 miles from their homes.
posted by Yo Hemmi at 13:42| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月27日

レヴィナス

水と光.jpg

「・・・現在の瞬間は、未来の一切をはらんでいるとはいえ、
『過去の一切で重く』なってしまう。瞬間の老いが、瞬間
のさまざまな権能に制限を加え、瞬間を死の切迫性へと開
くのである。・・・」(『全体性と無限』)

なぜか忘れる。しばしば失念する。犬はもういないのだと
いふことを。
posted by Yo Hemmi at 18:38| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月26日

根津

根津.jpg

文京区根津の中村さんからメールあり、嬉しかった。
根津に引っ越してこないかと言われる。階段を上るあ
の部屋にまだいるのだろうか。中村さんは最近、大三元
をロンしたらしい。
「ひとりにつき一通りの人生では生きている意味のなんに
も解らないまま死にそう」と言う。そうだな。

イ・チャンドン監督の映画を立てつづけに観たら、さすが
に食傷気味。一日に何本も観るべきではない。眼が溶ける。
posted by Yo Hemmi at 17:44| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月25日

敵わないね

『バーニング』。久しぶりに優れた映画を観た。敵わんわ!
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2025年03月23日

時間のなかの性行為

時間のなかの性行為.jpg

「・・・時間のなかの性行為は、空間のなかの虎と同じだ、
という断言だ。こうした性行為と虎との比較は、詩的
幻想の余地などないエネルギーの経済学的考察に由来
している。・・・」ジョルジュ・バタイユ『呪われた部分』

振り返る。けふは一度でもワロタであろうかと。ワロテ
なひ。この数日まったくワロテねえ。だからどうしたと
いふのか。

ガザでイスラエル軍に殺された市民がついに50000人を
超えた。リビエラ≠ゥ。トランプ一味はガザの人びと
をニンゲンとみなしていない。 
posted by Yo Hemmi at 20:16| お知らせ | 更新情報をチェックする

夢想.jpg

新聞・雑誌・放送記者、所謂自称ジャーナリスト、評論家は
あまり信用しないほうがよろしい。尊師≠ヘかつて人気者
だった。吉本さんだけでなく少なからぬ報道関係者も麻原に
入れ込んでいた。NHK職員も上九一色に、報道のためではな
く、麻原の説教を聴くために行った。麻原にはたしかに魅力
があったのだ。初公判を傍聴にきた某紙女性記者も麻原の磁
力を認めていた。遠藤弁護士は麻原を「俗物」と語っていた
が、俗物だからこそ衆生界のインチキ性を熟知してたのでは
ないか。放送100年、結構毛だらけ猫灰だらけ。大本営発表
機関として、何を報じてきたかを特集し、併せて自らのセク
ハラ、パワハラの実情をNスペあたりで紹介してはいかが
か。綺麗事が過ぎる。



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2025年03月20日

サリンの朝と善魔たち

サリン電車.jpg

 あの朝、地下鉄日比谷線神谷町駅にいた。二日酔いで。
乗客らは糸の切れた操り人形のように次々に倒れた。駅
には紅い金魚のいる水槽があった。金魚たちは平気で泳
いでいた。
 切符なしで改札口を強引に跨ごうとして駅員にひどく叱られた。
委細構わず改札を跨いで乗客を担いだ。口から涎を垂らしていた。
食中毒かなと思ったが、そんなわけがない。酸っぱい臭い
がした。
 名無しの事件現場に悲鳴はなかった。怒号も当初はなかった。
 二人地上に担ぎ上げた。安物の革ジャンの肩口に吐瀉物が
ついた。警察も救急隊も自衛隊も当初はいなかった。ずいぶん
遅いもんだなと思った。
 皆がすぐに倒れたわけじゃない。元気な乗客は倒れた乗客を
ひょいひょいと跨いで急ぎ職場に向かったのだ。日常の慣性だ、
慣性の法則。
 男の甲高い声が聞こえた。「助け合いましょうよ。ね、お互いさま
ですから」。バカ、何がお互いさまだ。そいつに何だか無性に腹
が立った。悪魔よりも善魔≠嫌う悪い癖。一向に治らない。
 社会部に電話した。知らなかったくせに知ってたような応答。
クソッタレ!こいつらもろくでもない善魔§A合だ。
 家に帰りテレビをつけたら群のなかに俺のアホ面があっ
た。それに向かい「バーカ」と罵り、TVを消し女とエッチして
寝た。
 新聞記事には俺が見たことどもはほとんど何も書かれてなかった。
途方もなく悪い者たちが善い人びとに危害を加えただってさ。
 それから数年後、俺は脳出血で倒れた。よろけながら、ある太った
死刑囚に面会にいったら「脳出血、サリンのせいじゃないですかね」
と言われた。その死刑囚は、その後絞首刑に処された。世間は何も
驚かず、かなり多数の自称良民がザマミロと思ったはずだ。
 わたしは依然、善魔が大嫌いだ。

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2025年03月19日

アガンベン

アガンベン.jpg

「船が沈もうというときに、私たちは船荷について議論し
ている。」―――― (ヒエロニムス)。ジョルジョ・アガ
ンベンが提出するこのアフォリズムは正鵠を射ている。

イスラエルによるガザ住民大量虐殺について、それへの米
国の関与について、憤死するほどの怒りを行動化するのは
当然である。この場合、非暴力中立≠ヘあり得ない。

「全き無駄」だから何もしないということではない。
そうと熟知しつつ、敢えて「全き無駄」を強行することの
意味と無意味の究極を和巳は問うたのだった。
posted by Yo Hemmi at 14:04| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月17日

『漆黒の馬』

黒馬を見たり.jpg

で、須藤さんと話していた際、高橋和巳は何が好きかと
訊かれた。埴谷雄高をして「苦悩教」と言わしめた高橋
和巳についてはほとんどが好きな(好きだった)のだが、
電話のことゆえ詳しくは話さなかった。例えばロープシン
の『漆黒の馬』。翻訳は工藤正廣さん、〈『漆黒の馬』の意
味〉と題する解説が高橋和巳で、これは小粒だけれどけだし
名品である。須藤さんにはそのことは言わなかった。

若いころわたしは『漆黒の馬』をいつも匕首のように持って
歩いた。「歴史的必然を、徹底した自己犠牲による確信的
殺人によって自由へと転化しようとするテロリストの苦悩
と、そしていかなる意図があるにせよ一たび手を血に染めて
よりのちははてしなくくずれてゆくテロリストの内面・・・」
といった和巳の語調には大方の作家が持つ悪擦れした得意も
衒いもなかった。

「やむをえない苦しみ」からはじまりながらも、やがて
全き無駄」へと墜落してゆくテロリストの宿命。そして
「絶望的な懐疑」へ。和巳がふとため息をつくように漏ら
した「精神はほんらい空虚をいとうものなのだ」という
文言。これらすべては赤く発光するイトミミズのように
いまもわたしの躰の闇を這っている。

ここまで書いたら、野田さんからメール。月の子は引っ越し
たらしい。猫のエイリアンとともに。

そうだ、高橋和巳の書斎を、和巳の死後訪う機会を得た。
重い香と湿気った褞袍のような匂いをまだ憶えている。


posted by Yo Hemmi at 21:50| お知らせ | 更新情報をチェックする

レオン・トロツキー

トロツキー.jpg

幻想なれどもトロツキーが好きだ。だから(と言う
のも変だけれども)トロツキーのみたいな眼鏡を買
った。いまもかけている。でも、気分はロープシン
(ボリス・ヴィクトロヴィチ・サヴィンコフ)だ。
posted by Yo Hemmi at 15:18| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月16日

樹の血

樹間.jpg

同居犬が死んで3か月。まだ癒えない。たぶん、俺は
死ぬまでだめだな。ムーンピノコはまだ元気みたいだ。
鉈で人を襲うときには少しは稽古してからこいといふ。
ま、そのとおりだ。

俺はここに居る理由もなくなってきている。ヘルパーさ
んが見つかれば北鎌倉もいいかも知れぬ。

薬を飲んでも血圧が下がらない。犬が逝ってからずっとだ。
パスポートを取らなければならない。

「日常とは多様な文脈の寄せ集めである」。ま、そうだな。

posted by Yo Hemmi at 22:08| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月15日

不思議な日

不思議な日.jpg

平衡感覚失調。グラグラしている。この日常を異常だと
得心するには相当の学習が要る。本当に異常なのだ。須
藤さんと話す。高橋和巳のことも。すべては遠い昔だ。

posted by Yo Hemmi at 22:57| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月13日

さらば記念日

記念日.jpg

さらばじゃ。2025/03/13は、さらばの記念日だ。
さらば記念日。

調子にのっていたころ、新橋駅前の怪しい手相見に言われた。
若い、暗い眼をした、おそらくトーイツキョウカイ系の女。
女「今はいいが、晩年はひどい。末路は哀れ・・・」
わたし「どうすれば末路を変えることができるのか?」
女「では、印鑑を変えましょう。これ30000円・・・」

買うわけがない。そのまままた飲みに行った。だが、末路は哀れ・・・
には妙に納得していた。なぜか? たぶん、末路までご順調な
人と成り行きが嫌いで、だいいち、自分に似つかわしくないと
思っていたからだ。

今や晩年、末路。インチキ手相見のご託宣どおりです。
わたしはこの期に及んでもなお「人の道」とやらに外れるのを
好む。きっと最期の最期まで。

そのうえで、アシスタントを募集中。女性、60歳くらいまで。
小生Gメールアドレス(yo.hemmi@gmail.com)に履歴書を
お送りください。

仕事は不定期。なるべく西武新宿線沿線にお住まいの方。よろし
く。



posted by Yo Hemmi at 16:47| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月12日

二重像

ダブルイメージ.JPG

まず登場人物の名前一覧を作ること。彼らは名指された
ことにより、それぞれの個性をもたされて動きだす。

然り、米国は「帝国主義国家」である。おそらくは滅び
ゆくそれである。

わたしはまだ犬の気配を感じている。ヘルパーさんもそ
うだと言う。眼に涙をためて。
posted by Yo Hemmi at 18:18| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月10日

日常

日常.jpg

 友が言う。大江健三郎や加藤周一や埴谷雄高や花田清輝や
野間宏や大岡昇平や梯明秀や黒田喜夫や武田泰淳や茨木の
り子や安部公房や安岡章太郎や大西巨人や三島由紀夫・・・ら
が、今生きてあれば、何を書いたか読んでみたい。
 わたしは言う。そりゃ無理だよ。気持ちはわかるが、発想
が根本的に間違っているよ。みんな死んだんだから・・・。

また3.11がくる。
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2025年03月08日

鴉.jpg

「無限の観念、すなわち《より少ないもの》に内包された
《無限により多いもの》は、具体的には顔との関係という
かたちをとって生起する。そして、〈他〉が〈同〉と関わ
りながらも〈同〉との関わりにおいて外部にあるという
〈他〉の外部性は、ただ無限の観念によってのみ維持され
る。・・・」
エマニュエル・レヴィナス『『全体性と無限』 (講
談社学術文庫)

テラスを歩く。おぼつかない。北鎌倉の咲ちゃんが穴掘り
をしていた。かわいい。椿の花瓣。
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2025年03月06日

新帝国主義

新帝国主義.jpg

新たな帝国主義の時代が到来した。「知」は扼殺されている。
posted by Yo Hemmi at 22:37| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年03月05日

合鍵屋

合鍵屋.jpg

「個人は国家を圧政だと感じとる。個人は自分の
理性によって国家を望んだにもかかわらず、国家
が有する非人称的運命のなかに、もはや自分の理
性を認めることがないのだ。・・・」
(『 全体性と無限 』 )

犬が夢中で噛みしだいた牛皮が一本眼前に。犬はい
ない。合鍵屋はある。鍵はない。
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2025年03月04日

ポーカーをする犬

ポーカーをする犬.jpg

こんにちは!わたくすぃ、けふ、善意に満ちた民のみが
住まふジャパンの街の親切なクリニックへ。ほとんど待
たされずに診察、処方箋ゲット。よかった!但し、ここ
だけの話だが、先生はワンコ、ブル系の老犬だった。で、
当然クーリッジを思った。カシアス・マーセラス・クーリ
ッジ。彼の「ポーカーをする犬」シリーズが好きだ。傑作
といふ話はついぞ聞いたことがない。看板屋出身だし。
ただ気になる評言があった。
米国人の安っぽい集合的無意識」に根ざした作品。that's
it! そうなんだ。ガイキチ・トランプを正しく位置づける言葉
は、安っぽい集合的無意識の泥沼から立ち現れ、不遜にも世
界を睥睨するクソ野郎なのだ。
ゼレンスキーXトランプのクラッシュを正確に批評した
論者はまだ少ない。トランプが放(ひ)り散らかしたクソを
ありがたがって頬ばる輩ばかり。腰が引けてないのはせいぜ
いレフ・ヴァウェンサくらいか。ゼレンスキーに対する
トランプの態度には「嫌悪と恐怖感」をおぼえたという。
yes、米国の支援に這いつくばってお礼しろといふ態度は許される
ものではない。
ただ、管見によるならば、トランプの引きずる未来は途方もなく
暗い。





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2025年03月03日

響きと日常

ポイント.jpg

 わたしは集合住宅の12階にいる。犬はもういない。駅が割
合近い。寝る。仰向かない。枕にピタリと耳をつけて横向き
に寝る。するとだね、驚くべきことに、レールが電車の重み
で軋む、これは音というのか揺れというのか、鉄の震動が耳
および首、左肩、腰にゴトゴトと直に伝わってくる。嘘じゃ
ない。わたしは毎日、全身で鉄路の軋みを聞くともなく聞いて
いる。
 この電車は「人身事故」が多い。ジンシンジコ。奇妙な言葉
だ。人間が主体的に電車に飛び込むのを「事件」ではなく、
「事故」に分類する。何だかおかしい。ま、それは措く。
 骨伝導というのがある。字義はよく知らないが、わたしが
日々経験していることの肉体的細部には骨伝導が含まれるの
ではないか。
 わたしは音を聞き取り、分類し解析しようとする。正確には、
ついついそうしてしまうのだ。鉄と肉。鉄と血。鉄と体液・・・。
濡れて光るレール。静かで何気ない日常は凄惨である。
 あっ、雪が降ってきた。



 
 
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線路

ポイント.jpg
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2025年03月02日

記憶と恍惚

ある日.jpg

「私は端的にこう定式 化しよう。私が「 宇宙」と 呼ぶ ところ
の イマージュの 総体において は、ある 特殊な イマージュ、そ
の典型が 私には自分の 身体によって 与えられる イマージュを
介してでなければ、本当に 新しい ことは 何 も 生じえ ない、と
いう具合にすべては 進んでいる。・・・」(『物質と記憶 』)

横須賀線逗子駅の上りホーム。その端に立っていた。昼下がり。
奇妙な恍惚感があった。もう一人男が立っていた。なにか猿に似
た男。その位置で前にもその男を何度か見たことがある。意外にも、
存在を主張しない者。内側にくぐもる男。彼がパーキンソン病とは
知らなかった。いや、病を得たのはだいぶ後だったのか。同い年。
喉に焼き肉を詰まらせて亡くなったらしい。




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2025年03月01日

ならず者国家=米国とその頭目

European allies were quick to stand up for Ukraine after President Trump and Vice President JD Vance openly berated Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy in a sharply contentious Oval Office meeting Friday.

Zelenskyy and his Ukrainian team were told to leave the White House earlier than planned Friday and an important minerals agreement went unsigned, a White House official said, after a heated exchange in which Mr. Trump and Vance accused Zelenskyy of being insufficiently grateful for U.S. support. The president told Zelenskyy he's "gambling with World War III" and did not acknowledge Russia's role in its assault on Ukraine.
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2025年02月28日

焉.jpg

「私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけ
にしてしまひたい。」(『月に吠える』)

けふはなぜか「焉」といふ意味のない漢字が頭に
浮かぶ。終焉。いない犬の水を替える。いない犬
のクッションを干す。「風流夢譚」を読む。焉。

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ジーン・ハックマン

Gene Hackman and wife's deaths "suspicious enough in nature"
to investigate, search warrant saysだって。
BONNIE&CLYDE は最高だった。
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2025年02月27日

漂流

漂流.jpg

ディストピアを生きている。闇黒郷をそうとは知らず
漂流している。ヘラヘラ笑いながら。トランプに「理
念」はあるか。弱者や貧者や流民の側に立てるか。諂
うな。倒せ。帝王°C取りを嗤え。

Gene Hackman, Oscar-winning star of 'The French Connection,' dies at 95
In a remarkable acting career that spanned six decades, Hackman established
himself as one of the most distinctive film stars of his generation.

好きな役者だった。
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2025年02月26日

閾.jpg

「非連続性を思考することを可能にしてくれるさまざまな
概念(、断絶、切断、変異、変換)を、どのようにして
種別化すればよいか。いかなる基準にもとづいて、自分が
対象として扱う統一体を他から切り離せばよいか。・・・」
『知の考古学』

気配はまだある。不思議な音もする。極めがたい気配の
なかで徹底的に老いていく。終わりはない。

この瞬間も台頭しつつあるカキストクラシー、つまり最悪
の人々による支配
に立ち向かえば、最後にはより良い世界に
戻る道が見つかるかもしれない。」
いや、それは楽観が過ぎる。
posted by Yo Hemmi at 18:08| お知らせ | 更新情報をチェックする

2025年02月25日

世界史的パラドクス

けふの水.jpg

間違いなく今日ただいまこそ世界史の大転換点
なのであろう。
posted by Yo Hemmi at 23:14| お知らせ | 更新情報をチェックする