○abstract art

眼科。よく見えると思ったり、霞むと感じたり、一定せず。
一定・・・そんなものないのかもしれないが「そんなもの」とは
どんなものか、わかっていない。『地下室の手記』しばらく
はまる。なにが新しくなにが古いかわかったもんじゃない。
売春宿で女性と性交後に説教したり反省したりする哀れと滑稽。
『地下室の手記』には闇や貧困、偽善の基層がみえる。どきどき
する。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」・・・人びとが
まだ一定の秩序のなかにいるのを不思議に思う。目の端で、じつは
たがいに様子をうかがっているのだが。『霧の犬』岩波現代文庫版
の装丁案くる。
abstract art。線路に靴を履いた両足(脚か)。『三四郎』は首だったな。
若い女性の。『三四郎』のあのシーンだけ惹かれた。あの作品のなにがよ
いのか。わかったことがない。わかろうとしたこともない。足や首にただ
胸をしめつけられる。
「あれ」からなにかが根本的に変わったというわけではない。
ずっと、ずるずるとダメになっていたのだ。工藤正廣さんから
最新作『チェーホフの山』(未知谷)をお送りいただく。ものすごい
エネルギー!
心臓のよくない犬、よく寝る。よく食べる。
