2020年12月01日

『霧の犬』


abstract art

霧の犬 文庫.jpg

眼科。よく見えると思ったり、霞むと感じたり、一定せず。
一定・・・そんなものないのかもしれないが「そんなもの」とは
どんなものか、わかっていない。『地下室の手記』しばらく
はまる。なにが新しくなにが古いかわかったもんじゃない。

売春宿で女性と性交後に説教したり反省したりする哀れと滑稽。
『地下室の手記』には闇や貧困、偽善の基層がみえる。どきどき
する。

「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」・・・人びとが
まだ一定の秩序のなかにいるのを不思議に思う。目の端で、じつは
たがいに様子をうかがっているのだが。『霧の犬』岩波現代文庫版
の装丁案くる。

abstract art。線路に靴を履いた両足(脚か)。『三四郎』は首だったな。
若い女性の。『三四郎』のあのシーンだけ惹かれた。あの作品のなにがよ
いのか。わかったことがない。わかろうとしたこともない。足や首にただ
胸をしめつけられる。

「あれ」からなにかが根本的に変わったというわけではない。
ずっと、ずるずるとダメになっていたのだ。工藤正廣さんから
最新作『チェーホフの山』(未知谷)をお送りいただく。ものすごい
エネルギー!

心臓のよくない犬、よく寝る。よく食べる。

チェーホフの山.jpg




posted by Yo Hemmi at 17:57| お知らせ | 更新情報をチェックする

2020年11月18日

辱め


番台

白夜.jpg
ルキノ・ヴィスコンティ『白夜』

「人間はだいたい辱しめられることを、ひどく好きがる傾向
さえありましてな・・・」(スヴィドリガイロフ)。禿頭の
老人。祖父。番台。浴場との仕切り。湯気で曇った硝子戸。
白夜。運河。石畳。


posted by Yo Hemmi at 14:03| メモ | 更新情報をチェックする

2020年11月14日

『青い花』発売


小池昌代さんのこと

『青い花』帯付.jpg

両目の手術終わり。見えすぎるほど見えるようになった。
眼鏡をかけずに、ルーペもなしに、文庫が読める。手はじ
めに『青い花』(岩波現代文庫)の小池昌代さん解説「廃
線の歌う詩」。とてもよかった!面白かった!

『青い花』の夜景に深々と入り込んだ小池昌代さんの文は、
解説というよりひとつの読み物であり、このように書ける
かのじょをわたしは羨んだ。他者の経験世界に自己身体を
入れ込むほど難しいことはないのに、それをやすやすとや
って、なおかつ読み手を惹くとは。ありがとうございました!




posted by Yo Hemmi at 14:27| お知らせ | 更新情報をチェックする